「いつでも安い」ベイシアが、なぜさらに安く? 新業態で削ったもの、残したもの(4/5 ページ)
「いつでも安い」を掲げるベイシアが、さらに低価格を追求する新業態「ココトク!」を始めた。商品数を半分以下に絞り、サービスを省く一方、総菜やタコスなどを充実。狙いを聞いた。
「安いだけ」では来店動機になりにくい
ディスカウント業態そのものは珍しくないが、ベイシアが他社との差別化として挙げるのが、プライベートブランド(PB)と総菜だ。
同社では「Beisia Premium」などオリジナル商品の開発に力を入れている。ココトクでも、全アイテムのうち、約1000アイテムがPB商品だ。
ココトクでは全ての商品が既存店より安いわけではなく、価格差が小さい商品もあるが、筆者が取材時に近隣のベイシア店舗を確認したところ、おにぎりやヨーグルト、菓子類などは、同じPBでもココトクのほうが1〜2割程度安い例が見られた。同じ商品でもココトクではさらに低価格で提供する。ベイシアが培ってきた調達力や商品開発、加工・物流の基盤に、ココトク独自の運営方法を組み合わせた結果、ローコストを実現している。
もう一つ注力しているのが総菜だ。約250グラムのご飯を盛り付けた「ココトク!モリモリ弁当」は、具材に合わせてソースを変えた4種類のラインアップで各320円、「塩とレモンで食べる握り寿司」や「お魚屋さんの銀鮭西京焼き弁当」など8貫程度の生寿司や魚総菜は536円に設定。低価格だけでなく選べる楽しさを演出している。
104円から購入できる揚げ物などの総菜バイキングや、カレーライスや麻婆豆腐ライスなど、通常サイズの他に1キロサイズを用意している商品もある。
しかし、安さだけを売りにしているわけではない。「安いだけでは『何度も行こう』とはなりにくいと考えています」と松田氏は話す。
何度も来店してもらうために設けたのが、タコスを販売する「TACOCO STATION」だ。
旧店舗にあったカフェの改装を検討する中で、近年のタコス人気やコメの価格上昇を考慮し、導入を決定したという。
当時はタコスに関するノウハウがなかったため、バイヤーが沖縄まで足を運び、研究を重ねた。タコスは注文を受けてから調理する方式を採用する一方、すぐに食べたい人や持ち帰り客向けに、タコスやタコライス、トルティーヤチップスも店頭に並べている。店舗作業の効率化を進める方針とは対照的な取り組みだ。
松田氏は「必要なものを安く買うだけの店ではなく、『こんな商品もあるのか』と楽しみながら店内をまわり、結果として買上点数が増えるような買い物体験をしてもらうことを目指しています」と話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜファミマの「1998円腕時計」は完売したのか “ちょうどいい一本”がササった理由
ファミリーマートのオリジナル腕時計が発売10日ほどでほぼ完売した。コンビニで時計を買う時代が始まっているのだろうか。
富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実
庶民の味方である立ち食いそばに、外国人観光客が押し寄せる現象が起きている。外国人観光客お断りを示す店舗もあるが、「そば」が本当の意味でも世界に愛される日本食になるためにできることとは。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?





