なぜ「資さんうどん」は強いのか 台湾1号店が盛況、社長に聞く勝ち筋は(5/5 ページ)
2026年6月に開業した「資さんうどん」の台湾1号店が盛況だ。初日は開業前から大勢の顧客が並び、現在もランチ時を中心に行列ができる人気ぶりだという。国内でもスピーディーに店舗を増やし、年内に124店舗となる見込み。「資さんうどんの差別化戦略」と「台湾100店舗へ向けた勝ち筋」を資さんの崎田晴義社長に聞いた。
競争が激化する「国内うどん市場」
近年、国内の「うどん市場」は競争が激しくなっている。例えば、「焼肉きんぐ」など計22ブランドの飲食店を展開する物語コーポレーションでは、2026年5月に新業態「肉讃岐 もっちりうどん源次郎」1号店を神奈川県座間市に開業した。
資さんうどん同様に店員が注文や配膳などを行うフルサービスで、店内で製麺したうどんを4玉まで同一価格で提供する。看板商品は「霧島黒豚の肉讃岐うどん」(869円)で、小ぶりの天丼なども用意する。
報道によると行列ができる人気店になっており、まずは郊外のロードサイドを中心に100店舗の拡大を目指すという。
また、9月にはサンマルクHDが「つるとんたん」を128億円で買収すると発表して話題に。 うどんは3玉まで無料だが、価格はセルフサービスのチェーン店の約2倍。おしゃれな「うどんダイニング」として、若者に絶大な人気を誇る。
店舗ごとに異なる内装や店舗限定メニューなど慎重に店舗数を広げてきたこともあり、現在は国内13店舗、海外2店舗にとどまる。しかし、今後は国内外に店舗網を広げていくと予想されている。
資さんうどんにとって、出店エリアやターゲットが重なる「肉讃岐 もっちりうどん源次郎」は、強い競合になり得るかもしれない。また、都心やフードコートの店舗を増やすとなれば、手頃な「丸亀製麺」や「はなまるうどん」が強敵になりそうだ。崎田社長は、競合をどう見ているのか。
「よく聞かれるのですが、当社では特定の企業を意識していません。というのも、資さんは『うどん屋』の枠を越えた『定職屋』や『和風ファミレス』に近い独特な立ち位置にあると考えるためです。出店の際も、人口あたりのレストラン数は考慮しますが、特定の競合を意識した制限は行いません。台湾でも同様の方針です」
資さんうどんでは、2030年までに国内に400店舗以上、売上高1200億円を目指す。活発化するうどん市場の行く末が注目される。
著者プロフィール:小林香織
1981年生まれ。エンタメ業界で約10年の勤務後、2016年にフリーライターへ転身。主に「経済(消費トレンド等)」「国内外のイノベーション」「社会課題」を扱う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。海外文化にも興味が強く、東南アジアへの短期移住や2020年から約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。2022年3月からは東京拠点。現在の担当媒体は、「ITmedia ビジネスオンライン」「文春オンライン」「ビジネス+IT」「東洋経済オンライン」など。
関連サイトはこちら
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ライバルは「丸亀」「はなまる」にあらず? 「ガスト」などから転換すすむ「資さんうどん」 の絶好調が続く理由
資さんうどんの好調が続いている。すかいらーくの他業態からの転換が進み、同ホールディングスの中期経営計画を前倒しで達成する可能性も出てきた。なぜこんなにも好調なのか。
資さんうどんは“一周回って新しい”――? 「ファミレス縮小時代」に、すかいらーくが活路を見出したワケ
全国展開に乗り出した、北九州発のうどんチェーン「資さんうどん」。ファミレス市場が停滞する中、250億円で買収したすかいらーくはなぜ、資さんうどんに期待を託したのか。
北九州のソウルフード「資さんうどん」 なぜ関東で行列ができるのか
2024年12月、北九州のソウルフード「資さんうどん」が関東に進出しました。千葉・八千代の1号店には行列ができ、いまも話題を集めています。なぜ人々を引きつけるのでしょうか。
「誰にも会わずに帰る店」の寂しさ すかいらーくがロボット配膳の先に挑むAI接客
デジタル化が進み、人と接することなく食事を終えられる飲食店が増えている。その利便性の裏で失われつつある「人ならではの価値」をどう取り戻すのか。すかいらーくホールディングスは、AIを人の代替ではなく、人の価値を引き出す道具として活用し始めている。
「年収1000万円店長」誕生へ すかいらーくの徹底した「店舗中心経営」が生み出す好循環
すかいらーくは「店舗中心経営」を掲げ、人的資本経営を推進している。


