「スタバのレシート持参でコーヒー半額」 年商4億円のご当地チェーン「すなば珈琲」の“逆張り”経営(3/5 ページ)
鳥取県で展開する「すなば珈琲」は、観光客の需要を取り込んで成長し、観光スポットとしての人気を確立している。ブランドを築き上げた創業者に、創業時の思いやスタバ人気を逆手に取ったユニークな戦略の狙いについて聞いた。
「スタバのレシート持参でコーヒー半額」 ピンチを逆手にとった戦略
創業から1年後の2015年5月、ついにスタバが鳥取県1号店を出店した。地元メディアからは「すなば珈琲ピンチか」と心配されたが、スタバの鳥取進出は分かっていたこともあり、村上氏に焦りはなかった。むしろ、この「黒船襲来」を最大の宣伝機会と捉えた。
「いよいよこの時がやってまいりました」。スタバへの最大限の敬意を込めたキャンペーンを打ち出した。
「スタバのレシート持参でコーヒー半額」「おいしくなければ無料」「先着で特製マグカッププレゼント」といったスタバの客をも取り込むサービス内容を盛り込み「3日に1日くらいは(当店をご利用ください)」などと自虐とユーモアを交えたチラシを折り込んだ。オープン前日には、妻でありビジネスパートナーでもある村上亜由美氏が、スタバの新店舗へ開店祝いの花を届けたという。翌日、スタバの店長からもあいさつの品が届いた。
「スタバの開店により周辺の喫茶店が厳しくなるという見方もありましたが、ライバルだとは思っていませんでしたね。地元の人はスタバや地元の喫茶店を利用してくださればいい。うちは県外からの観光客の方々に特化した店づくりにしたので」(村上氏)
店内には日本地図を掲示し、来店客の出身地にシールを貼ってもらう仕組みを作った。うわさを聞きつけた全国の観光客に加え、欧州やアジア各国からの訪日客も訪れるようになった。スタバ出店期のすなば珈琲は、最高日商50万円(客単価約700円)を記録するなど、にぎわいを見せた。
さらに自治体と連携し、東京や関西各地のイベントなどに参加し、県外での知名度を高めることで「鳥取の観光スポット」としてのポジションを確立した。
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