AI活用で「年3万5000時間削減」の江戸川区 「配って終わり」にさせないコツは? 5年で培った実践知を聞く(3/3 ページ)
江戸川区がAI活用によって年3万5000時間の削減に成功した。約5年でさまざまな活用事例を蓄積。「ツールを配って終わり」にさせない導入のポイントとは。
ごみ拾い用トングにAI搭載カメラを設置 データを環境政策に生かす
環境保全の分野では、AIを搭載したごみ拾い用トング「ポイストング」を活用する取り組みを始めた。トングに小型カメラを取り付け、拾ったゴミの種類をAIで自動判別し、拾った場所をクラウド上のデータベースに記録する。
2026年3月にテスト利用を開始し、イベントでの清掃活動や駅前のボランティア活動などで利用している。JR小岩駅周辺の清掃調査活動にも使った。今後は区内の全駅での実施を予定している。
収集したデータにより、ゴミの種類や場所をヒートマップなどで可視化できる。どこにどのようなゴミが多いのかを把握し、ゴミ箱の設置や新たな対策など、環境政策に生かすという。
庁内の相談窓口「AI活用支援デスク」設置 民間との連携も
AI活用をさらに広げるため、区は2026年4月に「AI活用支援デスク」を設置した。職員がAIの活用や導入について気軽に相談できる窓口で、民間企業のスタッフも支援に加わる。
大学や、自治体のDX推進を支援する組織「GovTech東京」など外部の専門機関とも連携し、技術レベルや取り組み内容に応じて伴走支援する体制を整える。
また、人材育成にも力を入れる。約6000人の職員を対象にしたeラーニングの初回研修のほか、生成AIのツール研修、選抜制のAI活用研修などを実施。今後は、民間のAI専門人材が主宰する「AI活用ラボ」も開催し、具体的な活用方法や新しいアイデアを考える機会をつくる。
「現場における『これって便利だな』という感動の体験が、次のAIの導入と活用につながる。『こういうこともできたら良いな』といった発見が、AIを活用した仕事の発想を広げると考えている」と、渡辺氏は期待を寄せる。
江戸川区は職員とAIそれぞれの役割を整理しながら、現場での活用を積み重ねている。
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