AI活用で「年3万5000時間削減」の江戸川区 「配って終わり」にさせないコツは? 5年で培った実践知を聞く(2/3 ページ)
江戸川区がAI活用によって年3万5000時間の削減に成功した。約5年でさまざまな活用事例を蓄積。「ツールを配って終わり」にさせない導入のポイントとは。
同区では、電話や窓口での相談内容をAIがリアルタイムでテキスト化し、要約する相談業務支援システムを導入している。相談内容の記録を作成する負担を減らすほか、発話内容に応じて必要な情報を表示するガイダンス機能や、上席者が相談対応を確認・支援できるスーパーバイザー機能も備える。
このシステムは2026年現在、13部署の相談窓口で導入されている。導入当初は業務効率化が主な目的だったが、現場からは別の効果も聞かれたという。
「これまでは一対一で相談対応をしていました。しかし、システムを入れることで、上席がやりとりを聞き、時にサポートしてくれるといった安心感が得られ、記録を取らなければいけないというプレッシャーからも解放されます」
相談業務では個人情報を扱うため、マスキング機能も備えている。
災害対策にもAI 24時間365日監視で「精度の高い分析を」
江戸川区が特にAI活用に力を入れている分野の一つが、災害対策だ。実は同区は、区域の約7割が海抜ゼロメートル地帯であり、水害や首都直下地震などへの備えが課題となっている。
そのため区では、通信キャリアに依存しない自営通信網を整備し、防災用カメラを設置している。高所カメラや市街地カメラ、河川カメラを組み合わせ、そこにAIの機能を組み込んだ。
高所カメラには、AIによる煙検出システムを導入。区内の火災を検知して担当者に知らせる。また、河川カメラの映像分析にもAIを活用。通常時の水位をAIに学習させ、大雨などで異常が発生した場合に担当者へ通知する。
渡辺氏は「職員に代わり、24時間365日監視することで、精度の高い分析を行い、災害への対応力を高める」と説明する。
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