2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

FDEは「スーパーマンと思われがちだが……」 脱・人月モデルで期待大、AI時代の“花形職種”の実像は?(1/2 ページ)

AI時代にエンジニアの花形として注目される「FDE」は、従来型SEと何が違うのか。FDEは、スーパーマンなのだろうか。IT業界が生み出した“新たな職種”の実像に迫る。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

 「FDE」――。AI時代、エンジニアの「花形」として注目を集める“新しい職種”の呼び名だ。顧客のAI導入を支援するエンジニアを指す言葉で、求人サイトを運営するIndeedの研究機関「Indeed Hiring Lab」によると、米国では年収3000万円以上を提示して、FDEを募集する求人もあるという。

 FDEは「Forward Deployed Engineer」の略で「前線配備エンジニア」と訳される。米PayPal創業者のピーター・ティール氏らが2003年に設立した、AI基盤を手掛ける米Palantir Technologies(以下、パランティア)が発祥といわれる。

 米国と韓国で元パランティア社員らに取材を重ねたAIスタートアップ、プライバシーテック(東京都渋谷区)の山下大介氏(CEO)は、FDEについて次のように定義する。

 「顧客の現場で課題を解き、その解決で得た知見や機能を自社のソフトウェア基盤へ取り込み、次の顧客にも価値を届けるエンジニア」

 これは、従来型システムエンジニアとどう違うのか。

photo
プライバシーテックの山下大介氏(筆者撮影、以下同)

本記事は、電子情報技術産業協会(JEITA)が主催したイベント「CEATEC 2026」(10月13〜16日開催)のカンファレンスから「AI時代を牽引する年収3000万円の仕事 FDE(Forward Deployed Engineer)〜令和8年熊本地震で動いた、FDEチームの奮闘ストーリー」を取材したもの。


エンジニアの花形、FDEは従来型SEと何が違う?

 従来型システムエンジニアとの違いは、仕事の起点だ。従来型は、顧客が抱えている課題を自ら言語化し、RFP(提案依頼書)を作れることが前提になる。

 一方、FDEが向き合うのは、顧客自身が何に困っているのかを言葉にできていない状態だ。現場の観察や対話を通じて真の課題を特定し、要件定義から本番稼働までを担う。問われるのは「何を作ったか」ではなく「顧客の何が変わったか」である。

photo
従来型システムエンジニアとFDEの違い(出所:山下氏の講演資料)

脱・人月モデル FDEは何で稼ぐのか

 もう一つの違いが「稼ぎ方」だ。従来型は「人数×単価」で表す単位「人月」をベースに売り上げを立てるビジネスモデルのため、人を増やさなければ収入は伸びない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る