第13回 焼酎ベースの梅酒オンパレード+D Style 本格焼酎ぐびなび

» 2007年03月05日 10時10分 公開
[ITmedia]
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 今回は焼酎ベースの梅酒をどんどん飲んでみようと思う。今回やって来たのは恵比寿「倭玄」。焼酎・日本酒のラインアップもさることながらさまざまな梅酒も取り揃える店だ。この中で、焼酎ベースの梅酒を10種類ほどセレクトしてみた。

 この店では「利き梅酒セット」なる、店主おすすめの梅酒を4種類ずつ選んで飲めるという、とても気の利いたセットがある。


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 まずは最初に登場したのが4種類。左から先日の第9回第10回で鹿児島に行った時に取材で訪れた小正醸造の「小正の梅酒」だ。奈良・王隠堂の梅と、麦、米、芋をブレンドした本格焼酎を使用し、清涼感溢れる香りに包まれた梅酒だ。続いては「麹屋伝兵衛」などで知られる老松酒造の「粕取り焼酎に漬けた梅酒」である。その名の通り、清酒も作る蔵ならではの粕取り焼酎を使用。粕取らしい複雑な深みがある。次は鹿児島・川内を代表する焼酎蔵・山元酒造の「さつま五代 芋焼酎の梅酒」だ。鹿児島らしく芋焼酎で仕込まれているが、味わいはとてもスッキリしている。そして最後に奈良・八木酒造の「月ヶ瀬の梅酒 原酒」。花札のラベルがとても印象的なこのお酒だが、味もまさに印象的。プラムのような、熟したような甘さが際立つ。

さて、この店は酒ももちろんオススメなのだが、食事も非常にうまい。魚、肉、各地のさまざまな郷土素材料理を味わえる店なのだ。刺身の盛り合わせ、岩手白金豚の炭火焼、秋田比内地鶏、名古屋コーチン、薩摩シャモの盛り合わせなどなど、食欲をかき立てるツマミの数々が次々と出てくる。

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 そんな楽しいメニューの数々をつまみながら、「利き梅酒セット」2セット目に突入。今度は昔よりラベルがスッキリしたデザインに変わった、熊本・球磨焼酎の木下醸造所から「文蔵の梅酒」だ。ラベルは可愛く変わってもやはり「文蔵」ならでは深みのある味わいが健在だ。お次は「うぐいすとまり」。福岡の山口酒造場の米焼酎ベースの梅酒。酸味もあってスッキリ。味のバランスがよく、トニック割りなどでもよく合いそうだ。さて、一本だけ焼酎ベースの梅酒から離れて口直しに飲んだのが、文久2年からみりん、清酒の醸造元として続いている「甘強酒造」の本みりん仕込みの「梅酒」だ。みりんベースといみりんといっても甘みが強すぎず、意外にもスッキリしている。最後にさっきのセットにも含まれていた「小正の梅酒」の熟成バージョン「小正秘蔵梅酒」だ。5年ものと8年もののブレンドらしい。非常にまろやかで大らかな味わいだ。


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最後にラストスパート(?)で、さらに3種類飲んだ。「晴耕雨読」でお馴染みの鹿児島・揖宿の佐多宗二商店の米焼酎ベース、「角玉梅酒」だ。数年前に初めて飲んだ時の衝撃がいまだに忘れられない。味わい深い梅酒である。そして、「梅のかほり」は山口・山縣本店の米焼酎ベースの梅酒。こちらもバランスのいい焼酎で何倍でも飲めてしまいそう。最後にさきほど紹介した「月ヶ瀬の梅酒 原酒」を割水した「花札の梅酒」バージョン。原酒のインパクトと比べるとだいぶ飲みやすくなっているが、個人的には原酒が良かったと感じた。


 梅酒と言うとどうしても、本格的なお酒からは遠ざかりそうなイメージがあるが、今回紹介した梅酒の数々は、食前酒や食後酒にはもちろん、メインのお酒として十分な魅了がある。最近の居酒屋では梅酒のラインナップも揃った店も増えてきたので、ぜひ、焼酎の合間に梅酒も飲んでみてほしい。

恵比寿 倭玄

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【住  所】東京都渋谷区恵比寿西1-15-1 センチュリーホーム恵比寿2F

【電  話】 03-5784-3508

【営業時間】 17:00〜28:00

【定休日】 無休



著者紹介

橋本 裕之(ハシモト ヒロユキ)

有限会社デジほん社長 SSI認定焼酎アドバイザー。

株式会社ダイヤモンド社で編集者として『旨い!本格焼酎』(著・山同敦子)の企画、編集などに携わる。また、モバイルサイト情報誌『iして! ケータイサイトの歩き方』の編集統括を務めた以降はモバイル業界に関わるようになり、株式会社ドワンゴを経て、2005年6月に独立し有限会社デジほんを設立。デジタル、アナログを問わず、コンテンツを広くプロデュース、運用している。最近ではスケート界の裏を深くえぐった『愛するスケートに何が起こったのか?』(著・渡部絵美)を手がけている。


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