ジャガーという選択+D Style モテるクルマの選び方

» 2007年08月01日 09時30分 公開
[今井優杏,ITmedia]

 幼少の頃、初めて覚えた輸入車の名前、それがジャガーでした。
 おそらくそれは曖昧な記憶をたどると、XJ-Sだったように思います。
 メルセデスでもBMWでもなく、どうしてジャガーだったのか、その理由は至ってシンプルで、「美しかったから」。

 これは今でもはっきりと思い出せるのですが、ジャガーカラーとも言える深い緑色にベージュの内装、ワイドで低い車体、そしてあの立体的なエンブレム。

 なぜだかそのたたずまいに、ほかの自動車にはない気品を感じてしまったのですね。

 父に「次はジャガーを買って」と言うと、「はぁ?!なんでやねん」とアッサリ切り返されたのも覚えています。まあ、私もオトナになった今なら、その理由もわかります。

 だって、もう今となってはその初恋のジャガー、何年式なのか調べようもないけれども(だって……、一昨日の晩御飯もすぐには出てこないお脳の状態なのに・泣、子供の頃まで遡れるわけがないです)、1990年式のジャガーXJ-S V12 コンバーチブルで、当時1250万円!!! というお値段。

 とてもじゃないけど、庶民が乗れるクルマじゃなかったんですよね。

 私がいまだに「深い車体色(黒ではない)&ベージュorタンの淡い内装色」の組み合わせに目がないのは、ここから来ているのかもしれません。
 まさに、「三つ子の魂百まで」。
 ……我ながら、単純すぎます。

 先日恵比寿のウエスティンホテルにて行われたジャガーのドラマティックなプレスプレビューの会場にて、そのことをぼんやりと思い出してしまっていました。

photophotophoto New XJ(左) / XKR Portfolio(中央) / C-XF(右)

 発表されたのはNew XJ / XKR Portfolio / C-XFの3台。いずれもプレミアムラグジュアリーサルーンとしての威風堂々としたたたずまいに圧倒されます。


photo New XJ。一番ジャガーらしい、まさにフラッグシップにふさわしい上品な仕上がり

 まずNew XJは、2003年に発売されて以来の大幅なマイナーチェンジを果たしました。

 このNew XJはジャガーのフラッグシップモデル。いわゆる近年のジャガーと言えばこんな感じの顔……と皆さんが想像される、エレガントで非常に肉感的(とはいえ決して下品ではない、むしろ中世貴族のようにとっつきにくいほど上品!!)な仕上がりになっています。

 まるでそのボディは彫刻のよう……。

 このXJ、なんと航空宇宙産業の技術を導入したオールアルミモノコック製のボディ構造によって、大幅な軽量化と剛性を誇るそうです。車体が軽いともちろんハンドリングもよく、燃費もいい。まさしく才色兼備なおじょうさま、と言ったところ。


photo XKR Portfolio。このタレ目とエアインテークがすごく個性的。コンバーチブルになると雰囲気が一変します

 そしてジャガーのスポーツカーであるNew XK、その中でもスーパーチャージャーを備えた真のスポーツバージョンと言えるXKR、さらにその限定豪華モデルであるXKR Portfolio(説明長くてすみません。でもそれだけ頂点モデルだってことを強調したかったの!!)。

 2006年に10年ぶりのマイナーチェンジを果たしたとき、そのあまりの……なんと言うか……斬新な……いや、ハッキリ言っちゃいます!「ファニーフェイス」には、業界内でも賛否両論を巻き起こしました。

 釣り目が当たり前になってきている昨今のカーデザインの中でも、ここまでタレ目ちゃんなお顔も珍しく、なかなかに魚類をほうふつとさせる、もしくは両生類をほうふつとさせるインパクトは相当なもの。

 しかしその卓越した個性と運動性能で、とりこになってしまった人も多いのが事実。

 このモデル、すでに予約注文が始まっていて、納車は9月を予定しているそう。街中でこのかわいいちゃん(でもそばで見るとカナリの高級感にのけぞりますよ!)を見かける日も近いでしょう。


photo 注目のC-XFがヴェールを脱ぐ!! 画像が悪いのはご容赦下さい……。この美女お二人は、ミスユニバースのファイナリストだそう。美女とクルマは普遍の組み合わせ

 しかし何と言っても今回、会場の話題と視線&フラッシュを一身に集めていたのが、このC-XFでした。

 この未来のデザイン!!
 まるでこのまま空も飛んで行けちゃうそうな独創性!!


photo 非常に新鮮ながらも従来のジャガーカラーを生かした見事な造形美。ステキです! ジャガー伝統の4つ目丸ライトも、味付けでこんなに変化

 コンセプトカーとして発表されましたが、その完成度の高さに息を呑みました。流動的な外観は、止まっているのに走っているかのような疾走感を抱かせます。

 C-XFは、今年1月に行われたデトロイトモーターショウにて発表され、「カー・オブ・ザ・ショー」を獲得したことで知られています。


photo 印象的なコクピット〜メーター類。この「アンビエント・ライティング」と呼ばれるライティング、今後たくさん使用されていくとのこと

 無機質な感じを受ける外観とは反対に、内装はバーナーで焦げ目を入れたウッド(スコーチド・ウッド)を使用するなど、ユニークで暖かい感じを受ける丁寧な作りこみがされています。

 また、ライティングも非常にムーディー。
 まるでクルマじゃないみたい。プラネタリウムのよう。


photo ドア周辺だけでなく、なんと天井にまでライティング!夜のデートの幅が広がりそう。この色を使いながらも、決してやりすぎ感や下品さを感じさせないところがさすが

 デザインチームは、建築や自然、映画、ファッションショー、バーなどにインスパイアされてこの美しいクルマを作り上げたそうです。

 目指したのは「卓越した性能による美しさ」。

 さて、このクルマに最も注目が集まった理由、それはなにもその「卓越した性能による美しさ」が、目の前に具現化されたから、だけではありません。

 このC-XFを、この秋フランクフルトモーターショーで発表される、New XFのコンセプトモデルとして発表したから。

 そしてそのNew XFは、「今後のジャガーの方向性を示す」、ミッドサイズスポーツサルーンである、と発表したから。期待も高まろうというものですよね!

 美しいショーのあとの、意見交換会にて。
「このクルマを選ぶ男子って、おばかに見えないわよね」
 とは広報女史のお言葉。
 深くナットクする私。
 助手席に座る女性を“姫”でいさせてくれるクルマ、それがジャガー。


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 そういえば、街でジャガーに乗ってる人を見たら、なんとなく、ほんとのお金もちだなぁ……なんて、思ったりしません?!
 そこはかとなく上品で、シック。
 これからはそれに、さらに躍動感も加わるのです。
 チェックしないテはない!!
 でも……

「お値段も、相当なんでしょ?!」と尋ねる私。
「大丈夫、これはミッドサルーンだから、バカ高くはないわよ!」

 う〜〜ん、ホントなのかしら。

 New XFは、今年の10月、東京モーターショーにやってきます。

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筆者プロフィール

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今井優杏(イマイ ユウキ)

2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!


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