人々の暮らしに寄り添うクルマ クライスラー・ジープ・ダッジ特集 大人が愛するアメ車の世界 クライスラー編(3/3 ページ)

» 2008年09月25日 09時30分 公開
[ITmedia]
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  • 01.あなたの暮らしをデザインする、クライスラー・ジープ・ダッジ
  • 02.ライフスタイルを作り出す3ブランド、13車種
  • 03.現代に蘇る「アメリカンマッスル」、ダッジ・チャージャーSRT8
アメリカンマッスルの体現、
ダッジ・チャージャー SRT8
ダッジのフラグシップモデル、その激しさを秘めたルックスに一目惚れ
 「大人が愛するアメ車の世界」、第2回目のアメ車リポートは、ダッジ日本上陸時のフラッグシップモデル、4ドア5人乗りの「ダッジ・チャージャー SRT8」。SRTは「Street and Racing Technology」の略で、クライスラーが擁する高性能車の専門グループだ。SRTの名を冠するクルマは他にクライスラー・300C SRT8、ジープ・グランドチェロキー SRT8などが存在する。クライスラーの名作エンジンであるHEMI 6.1リッターのエンジンを搭載し、425馬力を実現。2トンを超える車体を軽々と引っ張る姿はまさに現代の「マッスルカー」。獰猛なフロントデザイン、大きく口を開けたボンネット部のエアインテーク、20インチの大口径タイヤを備えたチャージャーは現時点のダッジ日本導入車両中で最も「ダッジらしい」モデルと言えるだろう。

 ブレーキはF1カー等でも採用されているブレンボ社の4ピストンキャリバーディスクブレーキが標準装備され、安全装置はマルチステージエアバッグ、エレクトロニック・スタビリティー・プログラムを装備、万が一の事故の際にもクラッシュゾーンが助手席、運転席への衝撃をやわらげてくれる。

 ちなみに、ダッジ・チャージャーのベースとなる車両はクライスラーのラグジュアリーセダン300C。さらにこの300Cは、先代のメルセデス・ベンツEクラスの構成部品を流用している。つまり、ダイムラー・クライスラーの蜜月時代が生み出した血統がブランドをまたいで今なお息づいているといえるだろう。価格はSRT8が651万円、5.7リッターエンジンのR/Tが598万5000円。

 今回は筆者が実際に購入した07年モデルのダッジ・チャージャー SRT8のリポートをお届けしたい。
写真:ダッジ チャージャーSRT8
写真:ダッジ チャージャーSRT8
写真:ダッジ チャージャーSRT8
エンジンを始動するたびに生まれる感動。カーライフの喜びがここにある
 ダッジ・チャージャーのたたずまいは、非常に野性的で豪快なイメージ。このフォルムがかもし出す独特のオーラは走っているときはもちろん、停車時も衆目を集めてくれる。内装はヨーロピアンプレミアムと比べるとややチープな質感だが、シートに座ると思いのほか広い室内空間に驚かされる。身長179センチメートルの筆者がドライビングポジションをゆったりと取れるのもうれしいところ。レザーとファブリックの両方を使用しているシートは体をゆったりとホールドしてくれ、アメリカンラグジュアリーな乗り味と相まって長距離のドライブもそれほどしんどくない。  エンジンを始動すると、大排気量ならでは(その分、税金もいい値段を取られてしまうのだが……)の車体が身震いする感覚に、心地よく全身が包まれる。HEMIエンジンが奏でるサウンドは、いわゆる昔ながらのアメ車の音とは少し違っているが、やはり独特の味がある。エンジン音で付近の方に迷惑をかけていないかと念のため、借りている駐車場のオーナーさんに「(出入りは)うるさくないですか?」と聞いたところ「空ぶかししているわけでもないし、気にならないよ」とのお言葉をいただいたことも付け加えておこう。

 街を走ると、道行く人々の視線を集めるのも気持ちがいい。1ページ目に登場していただいたエリス氏も「クルマに乗っていて声をかけてもらえる、注目される、というのもオーナーシップの喜びのひとつだ」とおっしゃっていたが、まさにその通り。ちょっとしたドライブでサービスエリアに停車するとき、駐車場に止めるときなど、クルマをきっかけに声をかけられることもしばしば。特に年配の方とお話をさせてもらうことが多いのも面白い。

 ダッジ・チャージャー SRT8は6.1リッターのハイパワーエンジンを搭載しているが、正直に言って「アクセルを床まで踏み込む」というシチュエーションは普通に運転をしていればまずあり得ない。緩やかにアクセルを踏んでいかないとホイルスピンをしてしまうからだ。もちろん、トラクションコントロールがきっちりと働いてくれるために車体が右へ左へと大暴れするようなことはないが、特に雨の日などは慎重なアクセルワークを要求される。しかし、いったん走り始めると、ハイパワーなレーシーモデルであるがこそ、余裕をもったドライブを楽しめる。普段使いのシーン、例えば停止時からの加速、高速道路でのちょっとした追い越し、左右の旋回も自分の操作にキビキビと応えてくれ、自分がクルマを操る喜びを感じられるだろう。シフトをマニュアルモードに切り替えれば、より高いレベルでのコントロール感を堪能できる。
写真:ダッジ チャージャーSRT8 写真:ダッジ チャージャーSRT8
ハイパワー、大排気量のクルマだからこそ、できることを見つけたい
 ダッジ・チャージャー SRT8の燃費は筆者の環境で街乗りリッター5〜6キロメートル、高速道路で8〜9キロメートルほどと、決して誉められる数値ではないが、6.1リッターエンジンで2トンオーバーの車体を動かしていることを考えるとそんなに悪い印象を受けない。
 現在のHEMIエンジンは可変シリンダーシステム(エンジンへの負荷が軽い場合は、8気筒のうち、4気筒を休ませる)の搭載により、アメリカでは「環境対策を施したエンジン」として人気が高いという。
 環境に応じてさまざまなアプローチが必要な現在。低燃費のクルマがシェアを着実に伸ばしていく中で、大排気量のハイパワー車もディーゼル化やハイブリッド化など、今後環境に配慮したさまざまなアプローチを行っていくことになるだろう。  クルマの歴史を作り出したアメリカだからこそ、次の100年を見すえた新しい「何か」を世に送り出してもらいたい。

取材・文 松井 悠



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