フロントシートは新開発なのですが、立体的な造形がコーナリング中でもカラダをしっかりサポートしてくれるんですよ!
ワゴンRは、フロント・リアともにウォークスルーのベンチシートです。もちろんウォークスルーの利点は欲しい、だけど肝心な走りの面で、これまでのベンチシートの座り心地はあんまり好みじゃなかった。
だって、Gがかかるたびに右へ左へ……カラダやお尻が不安定でしょ。カラダがぶれるようでは運転に集中もできないし、ドライブのたびに余計な疲労がたまります。
だけどこのシートは本当によかった!
バケットシートほどにシートのサイドが立っているわけではないのですが、不思議とばっちり身体を包みこんでくれるんです。しかもサイドが立ちすぎていないがゆえに、運転席から助手席への移動も引っかかることなくラクラク。
さて。体がぶれないシートを作ってるくらいなんだから、走りの質感も上がってるんだな、なんて先を読んだ人、そうなんです!!
4代目ワゴンRで私がいっちばん感動したのがその走り。
私は2WDのCVTに乗ったのですが、このCVTこそが4代目ワゴンRの開発のキモ!! と断言しても過言ではないでしょう。
こちらはターボでもないのに、先代モデルに搭載されたCVTに比べて低速トルクが大幅アップ。先代モデルで感じた非力感やCVTの滑り感がほぼ改善されて、とってもスタートのスムーズなイイ子に成長していました。
吸気系のレイアウトなどを改善したそうですが、目に見えて進化していることに感激。“バン!”と踏み込まなくてもしっかり加速してくれるので、今まで信号待ちなどで停車した際のスタートダッシュにストレスを感じていた人ほど、よさを感じてもらえると思います。また、先代モデルではとっても気になった静粛性も、合格点です。CVTの音などが車内に入らなくなったことも、居住性を向上させているポイントでしょう。
足周りは軽自動車の中では若干硬めかな、とも思いましたが、かといって多少荒れた路面を走ってもバタつくことはありません。コーナリングではボディー剛性の高さと、この足周りがイイ仕事をして、キビキビとした安定感ある走りを楽しめました。
そうそう、ステアフィールもすっごくよかった! リニアながら軽すぎない、重厚感あるものなんです。
重厚といえば、ドアを閉める時の音も、とっても重厚です。まるで軽じゃないみたいな音ですから、これもディーラーで試してみてください。内緒のハナシ、安っぽいと思われがちの軽だからこそ、こんなところの質感に、メーカーさんはと〜ってもこだわっていらっしゃるんです。
ほんと、4代目ワゴンRは、なんてったって「走って楽しい!」。これに尽きます。
ただエコなだけじゃない。ただ荷物が積めるだけじゃない。やっぱりクルマは走ってナンボですよ。根本的に走りが楽しくなきゃ、エコドライブもできない――そんなことを最近考えていた私にとって、ワゴンRは「王車」の意地を感じた素晴らしい乗り味でした。
今井優杏(イマイ ユウキ)
2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!
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