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» 2009年02月04日 12時54分 公開

テクノロジーのチャレンジにも満足:デビッド・フィンチャー監督が語る「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

アカデミー賞最多13部門ノミネートが話題となっている「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のデビッド・フィンチャー監督にインタビュー。「人間ドラマの部分も、テクノロジーのチャレンジにも満足」

[本山由樹子,ITmedia]
photo デビッド・フィンチャー監督

 本年度アカデミー賞で最多13部門にノミネートされた「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」。この世に老人の姿で産み落とされ、だんだんと若返っていく主人公ベンジャミン・バトンの、文字通り、数奇な人生を映し出していく。本作についてデビッド・フィンチャー監督に話を聞いた。

結ばれるべくして結ばれる関係性に、共感してもらえると思う

photo

 さて、F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説に基づく映画化の話は、ずいぶん前からあった。最終的にはフィンチャーにチャンスが巡ってきたが、スピルバーグはじめ名だたる監督が興味を持ったこともある。このシナリオに魅せられたのはなぜだろうか?

 「人間は愛し合って、結婚し、いつかは子供が生まれ、そして別れも経験する。シナリオには、主人公2人はもちろん、例えば戦争で息子を亡くすという時計職人のエピソードなど、さまざまな生き方や生活がきっちりと描かれていた。そこに感動したんだ」(フィンチャー監督)

 フィンチャーのフィルモグラフィーを振り返ると、「セブン」「パニック・ルーム」「ゾディアック」などダークな作品が多かった。それに対して「ベンジャミン・バトン〜」はいつもと違う作風だが、堂々たる完成度だ。「若返るベンジャミンに対して、恋人のデイジーは普通に年を重ねていく。本当の親を知らないで育ったベンジャミンは、アウトサイダーとしてどのように生きていくかを考える。一方のデイジーは美しく生まれ、バレエの才能もあるが、ケガで挫折してしまう。それぞれの道を歩んでいた2人が再会し、結ばれるべくして結ばれるという関係性に、共感してもらえると思う。また第二次大戦や1950年代のパリといった色々な時代も再現できた。人間ドラマの部分も、テクノロジーのチャレンジにも満足しているよ」

プラピ、“強烈な個性がない”

photo 来日記者会見でのフィンチャー監督とブラピ

 「セブン」「ファイト・クラブ」に続いて、ブラッド・ピットとは3度目のコラボ作となるが、彼の魅力についてはこう分析する。「ハリウッド俳優は強烈な個性やウリみたいなものが1つはあるけど、彼にはそれがない。決して悪い意味ではないよ。つまり、どんな作品でもこなせて、作品の一部になれるということ。これは凄いことだよ。作品ごとに違うブラッド・ピットを見られて、観客はこんなにいい俳優だったのか、と気づくんだ。あと、彼の人生(私生活)はヒステリックなほど騒がれているけど、彼自身は自分を見失っていないところがいいね」

 生と死、そして老いというテーマ以外に、一期一会の大切さも描かれているが、最後に人生を変えるような出会いがあったか聞いてみた。「(しばらく考えて)ノー。心をオープンにして、その出会いを待っているよ(笑)」


 ビジュアル派として鳴らしたフィンチャー。今回の“テクノロジーのチャレンジ”とは、ほとんどの年代のベンジャミンをブラッド・ピット本人に演じさせること。これには、デジタル・フェイス・ペインティングというテクノロジーを使用している。映画「ベオウルフ」などでも使われたもので、さまざまな年代&体型の俳優たちの顔と、特殊メイクを施されたブラッド・ピットの顔を差し替えていくのだ。この特殊メイクとVFXは完ぺき! ロバート・レッドフォード似の老人姿から、神々しいまでの輝きを放つ若き姿まで、さまざまなブラピを堪能できます。

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