危険な香りの1シリーズ――BMW 135iクーペ+D Style モテるクルマの選び方(2/2 ページ)

» 2009年02月20日 10時32分 公開
[今井優杏,ITmedia]
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photo メーター、センターコンソールはシンプル

 だってどこまでいってもハンドリングが素直なままなんです。

 だからタイトなコーナリングの楽しさもひとしおで、まさにドライバーを興奮に誘ってくれる粋な相棒です。今回はさすがにそこまでしませんでしたが、DSC(車両安定制御装置)には一定限度までのスリップやスライドを許容するDTCモードもあるそう。高性能のなかに、クルマを遊ばせてくれる気遣いもアリ、ですよ。


photo サイドブレーキ横にはiDrive。これにてナビ・オーディオが操作できますが、表示されるアイコン等の意味を把握しないと迷ってしまうかも…… (※現行モデルにはコントローラー周りにボタンが追加された新型iDriveが採用されています)

 しかし驚くことに、そんなにパワフルかつトルクフルなエンジンであるのにも関わらず、ドライバーズシートでジタバタした記憶がないんです。いわゆる「卓越したハンドリング」のせいなのかしら。

 さらに、際立って印象的だったのは車内の静粛性――速度域が上がっても、どこまでもFMの音楽が楽しめる。なんだか不思議です。もちろんそこには、Mスポーツのチューニングによる美しいストレート6サウンドが、潮騒のように加わって……ってちょっとロマンティックになりすぎましたけど、静かなだけでなく、サウンドにもこだわるあたり、さすが「走りのBMW」って感じ、するじゃないですか!


photo 後部座席に座ってみました。これだけのニースペース! 十分でしょ

 しかも135iにはランフラットタイヤ(走行中パンクをしてもすぐには空気が抜けず、そのまま走行できるタイヤです。欧州では路肩でのタイヤ交換中に暴漢に襲われる・後続車にひかれるなどの2次災害防止にも役立っているそうです)が組み合わされているんですが、安全面では信頼性の高いランフラット、実は静粛性の部分ではちょっと不安が残っていると感じていました。

 それが、この仕上がり……ほんと、見事。


photo 極太Mスポーツレザーステアリングホイール。太い……

 そしてさらに見事なのはモビリティーとしての完成度。

 乗車定員は4人とされていますが、さすがに常時4人乗車はキツイものの、後部座席でも十分に余裕があり、外観からの印象以上に空間は広々としています。また、クーペスタイルになることで作られたトランクも、ボディサイズの割にはなかなかの広さ。ゴルフバッグ2個くらいは、頑張れば収納できるサイズではないでしょうか。

※初出時、乗車定員数が間違っておりました。お詫びして訂正します。

photo 奥行きあるラゲッジ。照明・電源ソケット・荷物用固定フック・収納ネットが付いています

 運転席で印象的なのは極太ステアリング「Mスポーツレザーステアリングホイール」ですが、これにはくぼみ(グリップ)が作られていて、手を添えると自然と10時10分の正しい位置を握れるようになっている……はずなんですが、私には若干太すぎました。男性の手なら、ちょうどいいんじゃないかな。

 また、年々進化する純正ナビですが、135iにもジョグダイヤルのiDriveが搭載されています。初見で使うにはなかなかコツの必要なものですが、ユーザーには好評だそう。確かに視点移動をせずにナビやオーディオを操作できるのがいいですよね。


photo 本文には出てきませんが、BMWで一番スキなところはミラーにETCが内蔵されているところ! 分かりやすいし、カードも挿入しやすい。出しやすい。なによりもスッキリ。こういう工夫、他メーカーにもしていただきたいな

 実は今、こういう小型ボディ+ハイパフォーマンスエンジンのクルマって、すんごく少ないんですよ。しかも日本にMTが導入されてるなんて、本当にありがたいこと。スポーツカーでも2ペダル化が進んでいますから、私と同じMT愛好家にはぐっと刺さるクルマだと思います。

 だけどこの135i、お値段もド級。


photo ガラスルーフもあります。コンパクトな車内がこのルーフのおかげで明るく広々。開放感に一役買ってますね

 1シリーズのエントリーモデル、116iが297万円なのに対して、135iクーペはATで560万! MTで549万! きゃー!!

 でも、楽しめてしかも安いなんて、やっぱMT乗りのが人生トクしてる気がするんだけどな……ってちょっと違う話?(笑)

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