交換レンズ百景
解像感と近代的なボケを両立した大口径単焦点――ソニー「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」
フルサイズ対応のソニーFEレンズで、「Sonnar T FE 35mm F2.8 ZA」に次ぐ単焦点レンズの第2弾がこの「Sonnar T FE 55mm F1.8 ZA」(SEL55F18Z)。55ミリで開放F値1.8の標準レンズとなる。ツァイス伝統のT*(ティースター)コーティングを施された一本だ。
デザインは見ただけでツァイスのそれと分かるたたずまい。グッとせり出した花形のレンズフードを装着すると、α7Rが引き締まって見える。鏡筒サイドのツァイスバッジとマウントのシナバーリングがまぶしい。フロントヘビーになって持ちにくくなるかと思われたが、逆にいい案配の重量配分になった。
お城の門を斜めから撮影。F8に絞ったので力強くシャープな像を得られた。白壁のディテールや瓦の立体感、岩壁のリアリティが素晴らしい。コントラストも高いしヌケもいい。
海辺の植物を絞り開放でシューティング。ツァイスらしい雰囲気満点の写真になった。フォーカスした植物の解像感はとてもよく、とても開放とは思えない写りである。周辺光量の低下はいい味だと思う。美しいボケだが一部うるさい部分も感じる。
歴史を感じさせる農耕機具。最短撮影距離の50センチ付近まで寄ってボケを強調したカットにしてみた。とろけるようでもなく渦巻くようでもなく、とても現代的なスーッと消えゆくような上質なボケを得ることが楽しめた。思い切りボケを感じたいのなら、絞りを開けて被写体にグッと寄り、フォーカスを最前面に合わせてみよう。
苔むした岩の間を流れる清流。絞り開放ながらこのレンズは実に切れのいいシャープな写真を撮らせてくれた。湿気を帯びた藻類と乾いた枯れ葉、そして音を立てて流れる清水の描写は申し分ない。色味そして質感、ともにイメージ通りの画となった。
シャープだがボケ味が素晴らしいこのレンズはポートレート撮影にもってこいだ。これは客車内でiPhoneを操作するモデルを撮ったカットだが、絞りF1.8開放で瞳にフォーカスしたもの。キレのある両目部分から穏やかにボケていく感じが自然で好感が持てる。肌の質感、背景の整ったボケもいい感じではないだろうか。
こちらはF2.8まで絞ったカットだが、繊細な写りがとてもいい印象だ。特に肩周辺の髪の毛のディテールが素晴らしい。また背景中央付近のボケも円形に近く、暖かくなりつつある日差しのイメージを演出してくれた。
逆光気味になるようモデルに座ってもらい、うつろう表情を追いかけてみた。こういう部分では顔認識や瞳認識に頼って撮影できればいいのだが思い通りになることは少ない。なのでフレキシブルスポットAF、マニュアルフォーカスで撮影をした。肌の描写とボケはとてもいい印象である。
太陽の光がめまぐるしく変わる中、モデルに横になってもらい撮影。フォーカスした瞳からボディにかけてのボケかたが秀逸だ。通常ポートレートというと85ミリ前後が多用されるが、55ミリの本レンズでモデルとの距離感を詰めて、コミュニケーションを楽しみながら撮影するのもいいだろう。オススメだ。
(編注:本記事では一般的な撮影状態での利用を念頭としているため、人物撮影にレフ版などは利用しておりません)
(モデル:木谷有里 オスカープロモーション)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
2
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
3
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
4
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
5
B級感がたまらない? 映画「ストリートファイター」の魅力と原作ゲームの歴史、ゲーマーマンガ家が熱弁
-
6
GMO、不正取引の被害額を補償へ 見舞金5000円も 「お名前.com」FX用VPSへのサイバー攻撃で
-
7
「Claude Mythos 5」、危害の兆候を顧みず実在の開発者を標的に──AnthropicとAISIが分析結果を公開
-
8
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
9
「お名前.com」 のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か 「600万円の損失」「55万円なくなった」……報告相次ぐ
-
10
「Muse」日本で提供開始 MetaのAIエージェント、メルカリやマネフォ、ぴあと連携へ
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR