新春インタビュー2002 >>
関連リンク

デルコンピュータ 浜田宏社長 サーバでもトップを狙うデル

ZDNet 2002年はどんな分野に力を入れていきますか。

浜田宏社長
浜田 サーバ,ストレージ,サービスです。同じ性能なら,安く,早く,便利という顧客満足を,デルモデルで提供していく。ハイエンドも含めて,IAサーバをコモディディ化していくつもりです。

 また,サービスも向上させるつもりです。例えば,顧客ごとに専門の電話窓口を開設したり,保守サービス,コンサルティングビジネスを展開していきます。マーケットシェア拡大を第一に掲げるのではなく,やるべきことをやれば結果として自然にトップになれると考えています。

ZDNet 今年特に力を入れる製品は何ですか?

浜田 すべての製品に力を入れます。あえて具体的に挙げるならば,EMCとの共同ブランドで投入するストレージ製品です。サーバについては,上はハイエンド,下はローエンドというピラミッド構成の中で,上の部分を増やしていきたい。ハイエンド製品とローエンド製品の間には売れる数にトレードオフの関係があるとは思いますが,ハイエンドサーバを1台提供すれば,その「子ども」の製品が売れるのでメリットは大きいと考えています。

ZDNet ハイエンドの64ビットIAサーバに関して,例えば,日本ユニシスが32ウェイのES7000を出しています。64ビットIAサーバ時代が本格化するまでにはあと2〜3年あると思いますが,この分野にはどういう対応をしますか。

浜田 デルはインテルの盟友です。Itaniumファミリーのロードマップに合わせて新製品を投入する予定なので,何も心配していません。

ZDNet 企業向けのデスクトップについて,今後ユーザーのニーズはどう変化すると考えますか?

浜田 基本的なニーズはそれほど変わらないと思いますが,消費電力やエコロジー,省エネなどはテーマになると思います。

ZDNet 日本のIT市場をどう展望していますか?

浜田 回復は早くて夏でしょう。カギになるのは,米国経済と日本政府の構造改革の進展です。

ZDNet 浜田社長はデル入社以前,海運会社,米国系金融機関に勤務していたそうですが,そうした経験から学んだことは何ですか?

浜田 ビジネスの世界もスポーツの世界と同じであるべきだ,ということです。国籍や性別に関係なく,ホームランを30本打った人と3本の人がいたら,30本の人が評価される。真にできるものが勝つ世界であるべきと考えます。会社を大きな家族と思うのではなく,プロフェッショナルなプレーヤーが集まって1つのチームを築いているのです。それが徹底されれば,日本の経済も回復するでしょう。

ZDNet ちなみにプロ野球はどこが好きですか?

浜田 野球は特に好きではありません。でも,イチローと野茂は好きです。メジャーリーグに行かない人はプロじゃないと思っているくらいです。

「正月は家族と一緒に家でゆっくり過ごした」と話す浜田社長。学生時代は劇団で俳優として活躍,スキューバダイビングのために日本や世界の各地を旅行したという。好きなオペラ歌手,マリア・カラスは20世紀最高の歌姫とも言われている。最後に,ワールドカップの日本代表について,「予選は突破してほしい」と一言。

[聞き手:怒賀新也 ,ITmedia]