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日本ユニシス島田精一社長 新生日本ユニシスのキーワードは「Re-Enterprising」

ZDNet 日本ユニシスはハードウェアやソフトウェア/サービスなどさまざまな分野で事業を展開していますが,その構成はどうなっていますか?

島田精一社長
島田 現在は70%がソフトウェア/サービス,ハードウェアは30%になっており,ソフトウェア/サービスの比率が増えています。そして,ハードウェアの売り上げの60%は,サン・マイクロシステムズやヒューレット・パッカードのサーバなどを含め,オープン系の製品が占めています。

 また,UNIXとWindowsは顧客のニーズによって使い分けます。ES7000を使って,マイクロソフトのSQL Serverを含めたWindows 2000ベースのシステムを構築した場合,サンのStarfire(Sun Enterprise 10000)とOracleを利用するよりも低コストであることがメリットですね。

ZDNet 2002年をどう展望しますか?

島田 2002年もIT不況が続くとは思いますが,ソフト/サービス産業は成長するでしょう。ブロードバンドネットワークやe-ビジネスも進展します。企業間の連携も進み,IT革命は第2段階に入ると考えます。

 日本ユニシスとしては,成長力および収益力のあるソフト/サービスに重点を置いた高技術者集団になるつもりです。

ZDNet 社長に就任して以来,社員にはどのようなメッセージを送っていますか?

島田 三井物産時代を含めて何回も同じことを言っているのですが,「前向きに,明るく,逃げず,知ったかぶりせず」を信条にしています。たとえ失敗しても逃げないことで,人からの信用されるようになります。

 さらに,知ったかぶりをしなければ,人が親切に教えてくれるようになります。一緒に仕事をしたことのあるマイクロソフトのビル・ゲイツ氏やAOLのスティーブ・ケイス氏に共通していることは,人の意見に耳を傾けることができることです。

 そして,仕事をする上では楽観主義であることが大事です。失敗しても悲観的にならず,繰り返せばいつか成功するものです。「もう1回やってみる」ことが重要なのです。

ZDNet 経営者として島田社長自身が心がけていることはありますか?

島田 「すぐやる,必ずやる,できるまでやる」と自分にも社員にも言ってます。それと例えば,「売り上げ50億円を達成する」のような目標をお経のように唱えます。これが意外と実現するのです。

 また,「経営はリピート」とも考えています。1度言ったから言わないのではなく,同じことを何度もしゃべる。それでやっと人の頭に定着し始めるのです。

 さらに,「ビジネスは数字と結果」「覚悟に勝る決断なし」なども心得ていることです。決断するから前に進めるのです。私は,人との出会いは決断と思い,大事にしています。結局,ビジネスはHuman Relationsなんですよ。

お正月,元日は家で過ごし,2日と3日は伊豆へ行ったという島田氏。三井物産時代にはイタリアに留学。ナポリにふりそそぐ太陽,海からのそよ風,町には歌声が流れ,「アマーレ(愛し)マンジャーレ(食べ)カンターレ(歌う)」と人生を楽しむイタリア人にカルチャーショックを受けたという。一方,ワールドカップサッカーでも,「日本にがんばってほしいが,優勝はイタリア」とひいきを隠さなかった。

[聞き手:怒賀新也 ,ITmedia]