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バーンジャパン 杉山隆弘社長 導入プロジェクトの成功率ナンバーワンを目指すバーン

ZDNet 日本市場における方向性は?

杉山社長
杉山 欧米ではライセンス8割,開発コスト2割が相場ですが,日本では逆転しています。BPRで実現したい機能の3割しか持たないERPなら採用すべきではありませんし,「What to」抜きに「How to」だけで導入すべきでもありません。

 われわれは,製造業にフォーカスし,優れた機能性を売り込むだけでなく,より良いERPを目指すとともに,より良い使い方を提案できるようになりたいと考えています。

ZDNet 2002年に,新しい発表の予定はありますか?

杉山 単体のソフトウェア製品としての発表予定はありません。ただし,ERP,PDM,SCM,CRMを組み合わせ,これらの運用性を高める新しいたソリューションモデルを提案したいと考えています。すべてにバーンのソリューションを採用しなくても,例えばi2やアリバとの接続性を高める必要もあるでしょう。

 顧客企業のビジネスの現状を見ていると,「1社ですべて」は夢物語だと実感します。ですから,他社のERPとも連携させることも視野に入れています。これで,「製造分野はどうしてもバーンでやりたい」と考えている潜在顧客に良い提案ができるようになるはずです。

ZDNet 今後バーンは,どのようなポジショニングを目指すのでしょう。

杉山 製造業においてバーンジャパンはナンバーワンのソリューションを提供できるということを認知させるたいです。バーンでなければ実現できないソリューションを幾つか目に見える形で提案することで,ナンバーワン以上の「オンリーワンベンダー」と位置付けられることが目標です。

 ソフトウェアで実現できることの多様性や,ソフトウェアそのものの質に加え,顧客満足度でもオンリーワンになりたいです。具体的には,導入を決めてもらってから確実に本番稼動する確率が最も高いベンダーとして位置付けられたいですし,自信もあります。

 私は最低でも1日1回,もし私が製造業を率いる経営者だったら,ソフトウェア企業に何を期待するか,と考えるようにしています。あるときは,自動車企業,またあるときはハイテク企業の経営者の身になって考え,それを羅針盤として使っているのです。マクロ的には「ソリューション提供力をパートナー企業と共に高めるべし」でくくれてしまうのでしょうが,こうした細かな積み重ねがバーンジャパンの成長に寄与してくれるはずです。

 年末年始休暇は,釣りに3割,帰省に3割,読書に3割,そして「残りは家族サービス」だった杉山氏。実家の熊本に帰っても釣り三昧で,実質的に釣り6割だ。2002年の目標も,「チヌの35センチオーバーを上げたい」。釣った魚は,「妻がさばいてくれれば食べますよ」と家庭的な一面も。取材中,伊豆にある絶好の釣り場を教えてもらった。「実は,みんな分かっている場所なんですよ。でもそこに行くまでが大変だから。相当好きじゃないとね」

[聞き手:井津元由比古 ,ITmedia]