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» 2004年06月15日 20時09分 公開

日立も「ライフサイクル管理」戦略鮮明に、ニアラインストレージを投入

日立製作所は「DLCM(Data Life Cycle Management)」と称するアプローチに沿って、ディスクサブシステム「SANRISE9500V シリーズ」をはじめとするストレージ製品群を強化する。

[ITmedia]

 日立製作所は6月15日、ディスクサブシステム「SANRISE9500V シリーズ」のラインナップを強化し、シリアルATA(SATA)ディスクの搭載を可能にしたのをはじめ、複数のストレージ関連製品/サービスを拡張した。一連の製品強化は、同社が「DLCM(Data Life Cycle Management)」と称するアプローチに沿ったものだ。

 一般にデータ(情報)のアクセス頻度や重要性は、作成されてから活用/保存、廃棄されるまでの時間軸に沿って変化する。このとき、一律に同じストレージ機器を利用するのではなく、データの変化に応じてそのときどきに適切なストレージ製品を組み合わせることによって、全体のTCO削減と効率的な運用を図るというのがDLCMの、そしてストレージベンダー各社が提唱するILM(Information Lifecycle Management)の考え方だ。

 この中で重要な役割を担うのが、ややアクセス頻度が落ちたデータの格納に利用される「ニアラインストレージ」だ。SAN対応ディスクに代表されるオンラインストレージほどの高速性は必要とされないが、コストもそれほど高くはつかない。日立では今回、「SANRISE9500Vシリーズ」の最上位機種として「SANRISE9585V」をリリースするとともに、「SANRISE9585V/9580V/9570V」の各モデルでSATAディスクをサポートし、この部分をカバーした。

SANRISE9500V FCディスクだけでなくSATAディスクの収容もサポートしたSANRISE9500Vシリーズ

 既に他のストレージベンダーの中にも、SATA対応のローコストモデルを投入しているところがあるが、「ファイバチャネル(FC)とSATAの量ディスクを混在できるのは、この製品が初めて」(日立RAIDシステム事業部事業企画本部長の岡見吉規氏)。ディスクドライブ内の円盤潤滑剤の均一化やヘッドアンロード、障害予兆の監視といった独自機能によって、SATAの弱点である信頼性の向上を図っている点も特徴という。

 また、同社RAIDシステム事業部販売推進本部長の飛田正士氏は、全ディスクに占めるSATAの割合は今年度は3%程度にとどまるのに対し、来年は9%に伸びるとする調査会社のデータを示し、「SATA製品を投入するタイミングは決して遅いものではなく、むしろ適切」だと述べている。

 SATAとFCを混在させた構成のSANRISE9500V シリーズの価格は845万8000円から。6月22日より出荷が開始される予定だ。

日本でも数年以内にコンプライアンスの波が

 日立は合わせて、SANRISE9500Vシリーズの全機種に、ハードウェアベースのWORM(Write Once Read Many)機能をオプションとして提供することも発表している。この機能「Open LDEV Guard」により、一度書き込んだデータに対する改ざんや追記を防止できるほか、データの保存期間を指定することができる。オプションの価格は84万円からで、同じく6月22日より提供が開始される。

 WORM機能が追加された背景には、取引に関するデータの一定期間の保存を企業に義務付ける、SEC 17a-4をはじめとするさまざまな法的規制が定められつつあることが挙げられる。とはいえ、こと法的規制への準拠(コンプライアンス)に関しては、日本ではまだ明確な法的整備がなされたわけではなく、目立つのは欧米での動きだ。

 だが、「少なくともグローバルに展開している企業は対処が求められるだろうし、金融のように具体的な通達が出されている業界もある。いずれにしてもあと数年以内には、日本でも同様の対策が求められるようになるだろう」(岡見氏)。

 なお、データを長期にわたって保存すればするほど外部に流出するリスクも高まるが、「アクセスを許可されたサーバにアクセスし、そこから情報を盗み出すケースについてはどうしようもない」(岡見氏)。それを踏まえてきちんとアクセス権限の設定を行うとともに、データの暗号化を施したり、ディザスタリカバリサイトについては通信をIPSecで暗号化するなど、複数の手段を組み合わせて対処するしかないようだ。

 なお同社は他にも、ストレージ本体およびその保守/管理作業のサービス料金を、容量に応じてオンデマンドで課金する「ストレージユーティリティマネジメントサービス」を提供するほか、イキソスソフトウェアのコンテンツ管理ソフトウェア「IXOS-eCONserver」との連携によるSAP R/3向けの「データアーカイブサービス」も発表している。

 同様のアーカイブサービスを、電子メールやデータベースといった他のシステム向けに提供することも計画中だ。さらには、製造業や金融業など、業界ごとのニーズ/業務アプリケーションに特化したソリューションを展開していく方針という。

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