Sun、暗号化プロセッサ搭載の8コア“Niagara”発表へ

米Sun Microsystemsは8月に、8コア構成のハイエンドプロセッサ、コードネーム「Niagara」を発表する予定。Niagaraは8個のプロセッサコアを備え、それぞれが4個の独立したプロセッシングタスク(スレッド)を同時に実行できる。(IDG)

» 2004年06月18日 08時26分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Sun Microsystemsは8月に開催されるHot Chipsシンポジウム(会場:スタンフォード大学)で、8コア構成のハイエンドプロセッサ、コードネーム「Niagara」を発表する予定だ。

 シンポジウムの発表資料によれば、Niagaraは比較的低いクロック周波数で処理能力を改善する方法を採用しており、Sunの技術者が、これに関する発表を行うという。

 Niagaraは8個のプロセッサコアを備え、それぞれが4個の独立したプロセッシングタスク(スレッド)を同時に実行できる。Niagaraはこのスレッドをバイナリ命令に変換し、6命令を同時に実行する「シングル・スケーラー6段パイプライン」を備えている。

 発表資料によると、このプロセッサは比較的低いクロック、おそらく1GHz程度の低消費電力プロセッサで、ウェブベースのサービスに特化したものだろうと、Microprocessor Report誌のケビン・クレウェル編集長は解説する。

 Niagaraではこの短いパイプラインステージ(IntelのPrescottでは32段)を効果的に使うため、多段パイプラインよりも消費電力が低くてすむ、とクレウェル氏。

 資料から推察すると、NiagaraはGoogleなどのWebサービスプロバイダー向けに設計されたもので、多数のプロセッサを小さい筐体に詰め込み、高い電力効率で駆動する用途に向いているという。

 Niagaraのチップ製造はTexas Instrumentsによって最近始められたばかりで、SunのエンジニアもHot Chipsシンポジウムで実物を初めて見ることになるだろうとクレウェル氏。

 Niagaraの各プロセッサコアには暗号化専用のコプロセッサがそれぞれ1個、プロセッサには浮動小数点演算プロセッサ、3MバイトのL2キャッシュが含まれる。暗号化プロセッサは、SSLプロトコルの情報を送受信するときなどの、セキュリティ処理に役立つはず、と同氏は説明する。

 画期的なディレクトリスキームを用いたL2キャッシュによりキャッシュのコヒーレンスを維持しており、オンチップのメモリコントローラで扱うことができるメモリは最大で32Gバイト。20Gビット/秒以上のバンド幅を持つDDR2を4チャンネル搭載している。

 Sunは取材に対しコメントを控えたが、Niagaraベースの出荷は2006年初めを予定している。SunのNiagaraに関するプレゼンテーションは、8月24日に行われる予定。

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