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» 2004年06月25日 17時49分 公開

MSの新ビジネスソフト「Project Green」が大減速

Microsoftは新ビジネスソフトシリーズ「Project Green」の開発担当者を大幅に減らした。2004年後半に登場する予定だった最初の製品は、2008年以降にずれ込むことになる。(IDG)

[IDG Japan]
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 Microsoftは、「Project Green」の名称で知られる新しいビジネスアプリケーションファミリーの開発作業を遅らせ、代わりに既存製品に力を入れている。

 Microsoftの上級副社長ダグ・バーガム氏は6月23日、Project Greenは早くても2008年までは第一弾の製品が登場しないため、開発担当者の数を200人から70人に減らしていると語った。当初は2004年後半にも最初の成果物を出荷する計画だった。

 OracleによるPeopleSoft買収阻止を図る米司法省の訴訟で、バーガム氏は連邦裁判所の証言台に立ち、「主力製品ライン強化のため、Greenの人員を減らしてこれら製品に戻すことにした。かなり長い時間がかかると分かったためだ」と話した。

 MicrosoftはProject Greenによって、バーガム氏が「持てる者の悩み」と呼ぶ問題を解決する考え。同社には2000年のGreat Plains Software買収と、2002年のNavision買収によって獲得した顧客層が重複するビジネスアプリケーションが4種ある。これらのアプリケーションは、金融、人材、顧客関係、その他業務を管理するものだ。

 Microsoftは、単一のコードベースを持つまったく新しいビジネスアプリケーションを開発し、最終的には既存製品を置き換える計画だ。新製品はリリースが遅れているMicrosoftのクライアント・サーバ向けOS「Longhorn」に依存する。Longhornのクライアント版は2006年に、サーバ版は2007年に出荷される見通し。

 Project Green開発者の再配置は、戦略の逆転だ。Microsoftビジネスソリューションズ(MBS)の幹部らは昨年、2004年中ごろまでに開発者の3分の2を新製品開発に割り当て、3分の1を既存製品に回す計画だと明かした。バーガム氏によると、同部門の開発者は世界で約1200人。

 Microsoft広報担当のジャネル・プール氏が24日に明かしたところによると、開発者を再配置する手続きは現在進められているところだ。プール氏は、Project Greenの開発規模を縮小する決定を下した時期について明言を避けたが、クライアント版Longhornのリリース後に本腰を入れると説明している。

 バーガム氏が指揮するMBSはまだ不採算の部門だが、成熟したWindowsやOfficeといった主力製品以外に目を向けて成長を図る戦略で重要な役割を担っている。

 「中小企業向けビジネスアプリケーション市場には、数十億ドル規模に成長する可能性があるとMicrosoftは確信している」とプール氏。

 司法省の訴訟ではバーガム氏の証言に加え、Project Green関連のMicrosoft内部文書が証拠として提出された。これまで明かされていたよりも、Project Greenをめぐる同社の計画が幾分詳細に示された。

 「Market Requirements Document(MRD)」では、MicrosoftがProject Greenの第一陣リリースで新規顧客だけを狙う計画であることが明らかにされた。「既存のMBS顧客をGreenに乗り換えさせる具体的な取り組みはまだない」と記されている。

 さらにProject GreenのRelease 1は、現行のAxapta、Solomon、Great Plains、Navision製品で提供する機能の一部をまとめたものになるとバーガム氏は証言した。その次のバージョンは早くて2010年にリリースされる予定で、Microsoftの既存製品並みの機能を提供することになるとバーガム氏。

 Microsoftは、MBSの既存製品を2013年までサポートすると明言している。

 MRDによると、Project Green Release 1製品は、コアスモールビジネス、ローミッドマーケット、コアミッドマーケットの企業がターゲットになる。Microsoft内では、それぞれ従業員10〜49人、50〜99人、100〜500人の企業と分類されている。

  Project Greenの第2版では、アッパーミッドマーケット(従業員500〜1000人の企業)、コーポレートアカウントスペース(同1000〜5000人)にまで対象を広げる。

 Oracle対司法省の審問で証拠として実施されたPowerPointプレゼン資料では、MicrosoftはProject Green製品をリリースするまでに、小売ネットワークを拡大して1万5000社のパートナーを獲得するとの強気の考えを示している。プール氏はMBSの現在のパートナーが6000社であることを認めている。

 PowerPoint資料によると、Microsoftはビジネスアプリケーション市場で、2011年までに金額ベースで30%の市場シェアを狙う。Gartnerのデータでは、世界ERP市場における2002年の同社のシェアは、金額ベースでわずか4.9%。

 この市場でのライバルは、主にローカルベンダーや、対象を大企業のみから小規模企業に広げつつあるグローバル企業。MicrosoftはMRDで、Intuit、Sage Group、SAP、Visma、Exact Holdingを競合企業として挙げている。

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