Sun、MSとRed HatにJavaコミュニティー参加を呼びかけ

Sunのマクニーリー会長は、MicrosoftとRed HatにJCPへの参加を促し、またJavaオープンソース化を求めるIBMを批判、「Solarisのオープン化はコップの中の嵐」とも語った。(IDG)

» 2004年06月30日 10時10分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Sun Microsystemsの会長兼CEO(最高経営責任者)スコット・マクニーリー氏は6月29日、サンフランシスコで開催のJavaOne 2004で、MicrosoftとLinuxベンダーのRed Hatに、Java Community Process(JCP)への公開招待状を送った。また、財務的に厳しい状態にあるSunの存続を強調した。

 JCPは、Javaプラットフォームへの提案と修正のための手続きを提供している。SunとMicrosoftは最近の合意により協力体制の強化を舞台裏で進めているが、それでもマクニーリー氏はMicrosoftとRed HatにJCPへの参加を促した。

 「これら2社に参加と貢献を勧める」と同氏。

 同氏によると、SunとMicrosoftはユーザーが.NET環境とJava環境に同時にログインできるよう、ディレクトリの相互運用性などに取り組んでいる。相互運用性に関するフェーズ1の発表は今年の夏に行われる見込みという。しかしMicrosoft広報は、同社はJavaOneには参加していないと話している。

 マクニーリー氏は、SunはJavaの優れた「世話役」を演じてきたとして、Javaをオープンソース化しないという同社の姿勢を擁護した。「誰かが管理しなければ、誰も管理しないことになる」と同氏。さらにJavaオープンソース化を促すIBMを批判、IBMはオープンソースへの貢献に欠けるが、Sunは大きく貢献していると強調した。

 また同氏はSunの財務状況について、過去3四半期でサーバ部門の出荷台数が前年から22%拡大したことを指摘、同社の存続を強調した。同社は75億ドルの現金を銀行に保有しており、これまでに1310億ドルの売上高をもたらしたインストールベースを抱えている。

 しかし同社は2004会計年度第3四半期(1〜3月)に7億6000万ドル、その前の四半期には1億2500万ドルの純損失を計上している(4月26日の記事参照)。

 このほか29日には以下のような発言があった。

  • マクニーリー氏と社長兼COO(最高執行責任者)ジョナサン・シュワルツ氏は、PCでJavaCardを使えば、マルチファクター認証によりWindows PCでよく見られるウイルス問題を解決できると語った。ユーザー認証は被害を抑えると両氏は強調。「われわれはこれをあまり強調していないが、Javaでウイルスを書いた人はいない」とシュワルツ氏。

  • 国外アウトソーシングのJavaプログラマーへの影響についての質問に、マクニーリー氏はJavaは既に世界中で使われていると答えた。「私にはオフショアリングが何を意味するのかは分からないが、Javaプログラミングは世界中で行われている」

  • 両氏は、Solarisのオープンソース化計画は大きな影響を及ぼさないとし、多くの関係者は関心を持っていないと述べた。「Solarisのオープンソース化が必要だと考える顧客に出会ったことはない。メディアというコップの中の不思議な嵐だ」とマクニーリー氏。

  • マクニーリー氏は参加者に対し、米議会の動きによりストックオプションがなくなるかもしれないと語り、ストックオプション維持のために戦うよう呼びかけた。

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