DoubleClick、DoS攻撃で一時サイトダウン

約4時間にわたる大規模DoS攻撃は、DoubleClickのDNSサーバを狙ったものだった。その影響で、同社から広告配信を受けている大手サイトではWebページのロードが遅くなった。(IDG)

» 2004年07月28日 09時52分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米オンライン広告会社DoubleClickは7月27日、インターネット上の複数のコンピュータからのサービス拒否(DoS)攻撃を受けサイトダウンに見舞われた。同社の広報担当者が認めた。

 この大規模DoS攻撃は米国で午前10時30分(東部夏時間)に始まり、同社のWebサイトと、ほかのサイトにWeb広告を配信するサーバに障害を引き起こした。この攻撃の余波はインターネット中で見られ、DoubleClickの広告を表示するWebページが同社のサーバから取得しにくくなり、顧客に「深刻な混乱」が起きたと同社の声明文には記されている。

 この攻撃の間、Washington Post、New York Times、CNET Networks、Nortel Networks、InfoWorldなどの大手Webサイトはいずれも深刻な低速化を経験したと、Webパフォーマンス測定会社Keynote Systemsは述べている。

 攻撃中のKeynoteの測定データによると、これらサイトの「基本的なページ」(基本的なHTML文書)は迅速にロードされたが、Webページ上に表示されるコンテンツを含めた「完全なページ」は突然非常にロードが遅くなったと同社の業務担当責任者ロイド・テイラー氏は語る。

 今回の正体不明の「社外の発生源」からの攻撃はDoubleClickのDNSサーバを狙ったもので、攻撃は約4時間続いたと同社の広報担当責任者ジェニファー・ブラム氏は説明している。

 DNSは、トラフィックのルーティングに使われる、数字で構成されるインターネットプロトコル(IP)アドレスを、人間が読みやすいDoubleClick.netなどの名前に対応させるサーバシステム。

 Keynoteの記録では、午前7時ごろから午後1時30分にかけて、Webページの応答時間が3倍遅くなった。同社はその原因は把握していないが、こうしたページの動きはDoS攻撃に一致しているとテイラー氏。

 同氏によると、DoubleClickのサーバのパフォーマンスは、27日午後には通常に戻ったという。

 DoubleClickのブラム氏は、同社スタッフは「こうした状況を恒久的に解消する」ための対策を取っているところだと話している。

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