国内中堅企業の9割はIT投資に積極的な認識――IDC Japan

IDC Japanの調査によれば、国内中堅企業の9割が経営強化にITは不可欠との認識を持っており、今後取り組むITの最優先テーマは「意思決定の迅速化」だという。

» 2004年07月30日 16時07分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは7月28日、国内中堅企業のIT投資動向に関する調査結果を発表した。同調査は2004年4〜5月、従業員規模100〜1000人の国内中堅企業を対象にアンケートを実施し、得られた578社の回答に基いて結果をまとめている。

 これによると、回答した企業の9割近くは、経営の強化にとってITが不可欠だという認識を持っているほか、今後の経営判断はITに依存する割合が増すとの回答も8割近くに達したという。しかし、その一方、6割近くの企業は、売上げ高に占めるIT投資の比率が1%未満と回答している。このことから、IT投資の重要性を認識している一方で、予算の確保が十分になされていない中堅企業の実態がわかるとしている。

図 経営におけるITの位置付け

 また、IT投資の規模については、「増加する」(23.9%)という回答が「減少する」(14.9%)という回答を上回っており、中堅企業がIT投資の拡大に意欲を持っていると考えられる。

 中堅企業の47.1%がシステム統合を進めているか、進める予定があるとしており、システム統合を進める理由としては、企業内の業務効率化という回答が多く(87.3%)、それ以外では、企業間の電子商取引や製品情報共有(7.1%)や、企業内の事業統合と整理(4.9%)が挙げられた。現在進められている具体的なシステム統合は、アプリケーションやデータベース統合が首位で、次いでハードウエア環境の統合、サーバーやストレージの集約、企業間アプリケーション統合の順だった。

 ITに関連する最優先テーマについては、過去と今後の状況を対比して質問したところ、従来は「経理、会計、人事など一般事務処理分野」の優先度が非常に高く、全体の半数を占めていたが、今後優先するテーマは、「意思決定の迅速化」がトップに上げられ、他の項目を大きく引き離した。

 同社は以上の結果から、中堅企業向けIT市場において、「システムベンダーやシステムインテグレーターのビジネスチャンスは、中堅企業のニーズに対応した販売・サポート体制の構築と、個別のソリューションを提供できるコンサルティング力に大きく依存する」と分析している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ