「Linux」を含んだ商標登録に動く豪企業が現れ、オープンソースLinuxの“神聖”を守ろうと努める非営利組織が、「Linux」という言葉に関して複数の権利を持つトーバルズ氏に助けを求めている。(IDG)
リーナス・トーバルズ氏が口を挟めば、世界が注目する――少なくとも、Linuxの世界では。
「Linux」という言葉に関して複数の権利を持ち“Linuxの父”とも呼ばれるトーバルズ氏に、オーストラリアの非営利組織Linux Australia Inc.が助けを求めているのは、そんな理由からだ。
Linux Australia Inc.は、オープンソースLinuxの“神聖”を守ろうと努める非営利組織だが、オーストラリアでは、企業が「Linux」という言葉を、残りの世界で使われているのとは全く別の意味で使い始め、さらにはこの名称を含んだ社名の商標登録の出願に動いている。
具体的には、「Linux Australia Pty Ltd.」という民間企業が、昨年、オーストラリアでこの社名の商標登録を出願したのだ。ただし、まだ認可は下りていない。
専門家らは、どのオーストラリア企業が「Linux」を含んだ商標登録に動こうとも、トーバルズ氏なら、自分の方がその会社より長期にわたってLinuxという言葉を使ってきたということを、難なく証明できるだろうと指摘している。
トーバルズ氏には過去に、「Linux」という言葉についての、慣習法上の自分の権利を守り抜いた実績がある。それは1996〜7年、ボストンのウィリアム・R・デラクロース・ジュニアという名の人物が、Linux製品を販売する企業から売り上げの10%をロイヤリティとしてもらい受けようと、「Linux」を商標登録した後のことだった。
この際、トーバルズ氏は勝訴し、以来、この世界では以下のような一文を目にする機会が増えている。
「LINUX (R) はリーナス・トーバルズの登録商標です」
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