これは議論の余地がないことであるが、Microsoftは野心を失ってはいない。同社は、急進的な生産性向上を可能にする完璧な開発環境であるWhidbeyに対して、重要な開発リソースを注ぐことに集中している。
Whidbeyでの拡張は、VS.NET 2003のときのような単なる進歩ではなく、.NETと最初のVS.NET 2002リリースとの違いに比肩するほどの大改革がある。それらの拡張に関する情報は、Whidbey IDE(Integrated Development Environment)に見て取れる(図1)。
Whidbeyは最終的に、コードが複雑で醜悪であっても構わないように扱う。私の予感では、Whidbeyを使う開発者たちはオープンされたVS.NET 2003とMicrosoft Wordを横に並べて、Wordのオーサリングツールをどのようにコード記述に対して使うのかと考えることだろう。
このアプローチは、Whidbeyの特徴を知る上で最も有意義だ。Whidbeyの特徴には、コードとオブジェクトに関連するIDE操作結果をエディタに吐き出すライン構成マーカーやスマートタグのほか、自動的な保存と復旧などの安定した正確さがある。ワードプロセッサが数年前からサポートしてきたこれらの機能なしに、これまでどうやって膨大なコードの記述を管理してきたのかと思うだろう(図2、図3)。
マイナス面としては、Whidbeyは高度な技術を持つユーザーにはメリットを提供するが、プログラミングの初心者は置き去りにしてしまうことだろう。VS.NETは多様なエディションを用意することで、ビギナーから熟練したプロフェッショナルまでをターゲットにしている。この記事の執筆時点で、MicrosoftはWhidbeyのエディションについてアナウンスしていないが、VS.NET 2003でのターゲットとしていたアカデミックとプロフェッショナル、エンタープライズ開発者に対するものがリリースされることだろう。また、エンタープライズアーキテクトに関しても同様である。
Whidbeyには経験の少ない開発者をターゲットとした多くの新機能があるが、Whidbeyを使うユーザーが生産的であるためには、たとえVB.NET(コラム参照)においても、.NET Frameworkと各種の関連するツールを深く理解する必要がある。これは必ずしも悪いことではない。ツールの包括的な集合ならなおさら、全ての人々にとって、それが全てというツールは成立しない。
もしMicrosoftがエンタープライズ向けのツールベンダーであることを真剣に志向するなら、遅れた開発者は置き去りにせざるを得ない。良いニュースは、プロフェッショナルのプログラマーがWhidbeyの学習曲線を研究したところ、目覚しい可能性が開かれたという点だ。
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