ユビキタスセンサーネットワークの国内関連市場、2010年に1兆2389億円に

総務省「ユビキタスセンサーネットワーク技術に関する調査研究会」最終報告によると、ユビキタスセンサーネットワークの国内関連市場は、2010年に1兆2389億円になると予測。

» 2004年08月24日 20時29分 公開
[ITmedia]

 総務省は「ユビキタスセンサーネットワーク技術に関する調査研究会」における最終報告をまとめ、公表した。

 最終報告では、ユビキタスセンサーネットワークの実現に向け、国内外における関連技術の動向等を調査・分析し、将来のビジョンを示すとともに、その実現に向けた課題と今後の推進方策について提言、ユビキタスセンサーネットワークによる経済波及効果について分析している。

 同研究会のアンケート結果などをもとにした予測では、2010年におけるユビキタスセンサーネットワークの国内関連市場の規模は、全体で1兆2389億円と見込まれる。

 分野別に想定したユビキタスセンサーネットワークのアプリケーションの将来市場は、以下の通り。

分野別想定アプリケーションの将来市場

分野 2007年 2010年
防災・災害対策 1720 2629
防犯・セキュリティ 3487 4224
食・農業 16 21
環境保全 35 50
医療・福祉 108 158
施設制御 370 648
事務・業務 237 570
交通 2569 3985
構造物管理 54 65
物流・マーケティング 25 39
(単位:億円) 8621 12389

 この需要額をもとに産業連関表を用いて経済波及効果を分析。2010年におけるユビキタスセンサーネットワーク関連市場は1兆2389億円であり、この最終需要による生産誘発額は、2兆8973億円で、乗数効果は2.34倍となった。

2010年のユビキタスセンサーネットワーク将来市場の経済波及効果

(単位:億円) 第一次波及効果(産業間の調達に関わる需要総額) 第二次波及効果(雇用者所得のうち消費に回る需要総額) 波及効果合計
農林水産業 94(1.0%) 133(2.0%) 228(1.4%)
鉱業 9(0.1%) 7(0.1%) 15(0.1%)
製造業 3743(38.3%) 1510(22.2%) 5253(31.7%)
建設 98(1.0%) 66(1.0%) 164(1.0%)
電力・ガス・水道 415(4.2%) 261(3.8%) 676(4.1%)
商業 925(9.5%) 895(13.1%) 1820(11.0%)
金融・保険 837(8.6%) 458(6.7%) 1295(7.8%)
不動産 224(2.3%) 1306(19.2%) 1530(9.2%)
運輸 460(4.7%) 361(5.3%) 821(4.9%)
通信・放送 272(2.8%) 254(3.7%) 526(3.2%)
公務 11(0.1%) 18(0.3%) 29(0.2%)
サービス 2565(26.2%) 1499(22.0%) 4065(24.5%)
分類不明 122(1.2%) 40(0.6%) 162(1.0%)
内生部門計 9774(100%) 6810(100%) 16584(100%)

 また、センサーネットワークアプリケーションの導入による社会的効用を試算。効果の大きいものとしては、オフィスの電気機器コントロールによる電力消費削減で、2.3兆円、交通量モニタリングによる渋滞解消で経済的損失額1.2兆円の削減などが見込まれている。

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