総務省「ユビキタスセンサーネットワーク技術に関する調査研究会」最終報告によると、ユビキタスセンサーネットワークの国内関連市場は、2010年に1兆2389億円になると予測。
総務省は「ユビキタスセンサーネットワーク技術に関する調査研究会」における最終報告をまとめ、公表した。
最終報告では、ユビキタスセンサーネットワークの実現に向け、国内外における関連技術の動向等を調査・分析し、将来のビジョンを示すとともに、その実現に向けた課題と今後の推進方策について提言、ユビキタスセンサーネットワークによる経済波及効果について分析している。
同研究会のアンケート結果などをもとにした予測では、2010年におけるユビキタスセンサーネットワークの国内関連市場の規模は、全体で1兆2389億円と見込まれる。
分野別に想定したユビキタスセンサーネットワークのアプリケーションの将来市場は、以下の通り。
分野別想定アプリケーションの将来市場
分野 | 2007年 | 2010年 |
---|---|---|
防災・災害対策 | 1720 | 2629 |
防犯・セキュリティ | 3487 | 4224 |
食・農業 | 16 | 21 |
環境保全 | 35 | 50 |
医療・福祉 | 108 | 158 |
施設制御 | 370 | 648 |
事務・業務 | 237 | 570 |
交通 | 2569 | 3985 |
構造物管理 | 54 | 65 |
物流・マーケティング | 25 | 39 |
(単位:億円) | 8621 | 12389 |
この需要額をもとに産業連関表を用いて経済波及効果を分析。2010年におけるユビキタスセンサーネットワーク関連市場は1兆2389億円であり、この最終需要による生産誘発額は、2兆8973億円で、乗数効果は2.34倍となった。
2010年のユビキタスセンサーネットワーク将来市場の経済波及効果
(単位:億円) | 第一次波及効果(産業間の調達に関わる需要総額) | 第二次波及効果(雇用者所得のうち消費に回る需要総額) | 波及効果合計 |
---|---|---|---|
農林水産業 | 94(1.0%) | 133(2.0%) | 228(1.4%) |
鉱業 | 9(0.1%) | 7(0.1%) | 15(0.1%) |
製造業 | 3743(38.3%) | 1510(22.2%) | 5253(31.7%) |
建設 | 98(1.0%) | 66(1.0%) | 164(1.0%) |
電力・ガス・水道 | 415(4.2%) | 261(3.8%) | 676(4.1%) |
商業 | 925(9.5%) | 895(13.1%) | 1820(11.0%) |
金融・保険 | 837(8.6%) | 458(6.7%) | 1295(7.8%) |
不動産 | 224(2.3%) | 1306(19.2%) | 1530(9.2%) |
運輸 | 460(4.7%) | 361(5.3%) | 821(4.9%) |
通信・放送 | 272(2.8%) | 254(3.7%) | 526(3.2%) |
公務 | 11(0.1%) | 18(0.3%) | 29(0.2%) |
サービス | 2565(26.2%) | 1499(22.0%) | 4065(24.5%) |
分類不明 | 122(1.2%) | 40(0.6%) | 162(1.0%) |
内生部門計 | 9774(100%) | 6810(100%) | 16584(100%) |
また、センサーネットワークアプリケーションの導入による社会的効用を試算。効果の大きいものとしては、オフィスの電気機器コントロールによる電力消費削減で、2.3兆円、交通量モニタリングによる渋滞解消で経済的損失額1.2兆円の削減などが見込まれている。
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