フロンティア・ドメインは、分散した複数の倉庫における物流業務を一元的に管理するシステム「W2MS」を同日から販売することを明らかにした
フロンティア・ドメインは8月25日、都内で記者発表会を行い、分散した複数の倉庫における物流業務を一元的に管理するシステム「W2MS」を同日から販売することを明らかにした。同製品は、インターネットで社内や取引先と倉庫を連携させた上で、高速ハンディターミナルを利用することで、物流業務をリアルタイムに処理するシステムを構築できることが特徴になっている。
フロンティア・ドメインの高橋社長
同社の高橋寿仁社長は1992年のシステムエンジニア時代、「閑散期の倉庫を有効活用したい」という顧客の提案を受けたという。紆余曲折と努力の末、パソコンのユーザー自体が少なかった当時に、倉庫を「パソ通 Cafe」として開放するサービスを開始。
ウェイトレスやウェイターにパソコン通信の操作方法を習得させ、パソ通 Cafeの来客にパソコン通信のやり方を教えるというあまり類を見ないビジネスを始めた。これが転機となり、1994年、フロンティア・ドメインを創業したという。
新製品について同氏は、「ERPの多くは在庫管理機能はあるが、倉庫内物流業務を行うための機能はあまりない」と話す。
こうした機能を、メインフレームやクライアント・サーバ方式ではなく、Webブラウザをベースに提供することで、ユーザーは、複数拠点間のシステムの違いなどに関わらず、在庫の状況などを容易に共有できるという。例えば、クライアントサーバ方式の場合、サーバだけでなくクライアントにもアプリケーションをインストールするなど特別な設定をしなくてはならず、複数拠点間でデータを連携するには手間が掛かる。
また、ERPの多くがあまり得意としない検品管理、ロケーション管理、ハンディターミナル情報との連携なども充実させた。W2MSは、直接サーバの在庫情報を更新できる高速ハンディーターミナルと連動する。このハンディターミナルは、作業実績を秒単位で記録しており、すべての入出庫および在庫管理業務をリアルタイムで処理できるという。
ユーザー企業は、W2MSを導入することにより、ERPや販売管理システムの不得意分野を補完し、より質の高い物流管理を実践できるわけだ。
W2MSの主な機能は、入荷および入庫管理、補充管理、出庫および出荷管理、得意先返品管理、メーカー返品管理、在庫管理、棚卸管理、ロケーション管理、マスター管理など。
対応プラットフォームは、UNIX、Windows、Linux。アプリケーションサーバはTomcat、WebサーバはApache。データベースは、Oracle、SQL Server、PostgreSQL。物流機能と、プラットフォームを選ばない柔軟性により、中堅から大手企業をターゲットに提供していく考えだ。
ライセンス費用はサーバ当たり700万円。導入総額はおよそ2000万円からとなっている。
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