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» 2004年08月27日 18時12分 公開

逮捕者100人以上――サイバー犯罪一掃作戦に成果

米司法省が6〜8月にかけて行った一斉摘発作戦「Operation Web Snare」では、インターネット犯罪に関し160件の捜査が行われた。被害者は15万人以上、被害額は2億1500万ドル以上に及んだ。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米司法省は8月26日、大規模なインターネット犯罪一掃作戦「Operation Web Snare」の成果として、オンライン詐欺などインターネット関連犯罪を犯した53人の有罪が確定し、それとは別に103人を逮捕したと発表した。

 Operation Web Snareは6月1日から8月26日の期間実施され、その結果、DoS(サービス拒否)攻撃、コンピュータハッキング、模造ソフト販売、いわゆる「フィッシング」と呼ばれる詐欺(正当にみせかけた電子メールを送りつけて銀行口座番号やクレジットカード番号を聞きだす)など160件に及ぶ広範なインターネット関連犯罪の捜査が全米で行われた。中には、競合企業にDoS攻撃を仕掛けるためにコンピュータハッカーを雇い入れた衛星放送機器ディーラーのCEO(最高経営責任者)が告発されるケースもあった。

 Web Snare作戦は、オンライン詐欺に関連した「最大かつ最も成果を上げた」捜査当局による作戦だと、ジョン・アシュクロフト司法長官は記者会見で述べた。「Operation Web Snareは、米国の司法界がインターネット犯罪における新しい傾向を予測し、相手の機先を制し、順応しようと努めていることを示すものでもある」

 Operation Web Snare実施期間中に司法省ならびにその他の捜査当局が調査した事件では、15万人以上の被害者が2億1500万ドル以上の損害を被ったとアシュクロフト氏。同氏によれば、司法省と同省に属する連邦捜査局(FBI)のほか、郵政監察局、連邦取引委員会(FTC)、財務省検察局(シークレットサービス)、移民関税執行局(BICE)がOperation Web Snareに協力した。

 今回の一掃作戦の逮捕者の中には、競合企業に対してDoS攻撃を仕掛けたとされる通信企業のCEOと共犯者5人が含まれている。司法省によれば、連邦大陪審は今週、マサチューセッツ州に本拠を置く衛星放送機器のディーラーOrbit CommunicationのCEO、ジェイ・R・エシュアフニ被告を共謀罪、ならびに保護されたコンピュータに損害を与えたとして複数の容疑で起訴した。エシュアフニ被告とそのビジネスパートナーは、競合企業のWebサイトを攻撃する目的で米国と英国でコンピュータハッカーを雇用したと司法省は主張している。

 この攻撃は2003年10月に開始されて一定期間続けられ、相手企業は売上損失と攻撃に対処するための関連コストで総額200万ドル以上を失ったと司法省は説明している。この攻撃は、被害者が利用していたインターネットサービスプロバイダー(ISP)が運営するほかの商用・政府系サイトにも被害を与えたという。

 オンラインに掲載されていたOrbit Communicationの電話番号は26日時点で不通になっていた。

その他の成果

 ユタ州では、R・マーク・ペントラック被告が、インターネット詐欺に関連して、郵便詐欺、社会保障番号の乱用、証拠隠滅未遂、偽証で有罪を認め、懲役11年以上の懲役を言い渡された。

 司法省によれば、ペントラック被告は自動車・航空機の部品などのインターネット販売を行っていたが、実際にはそのような商品は扱っていなかった。ペントラック被告はこの事実を隠匿するべく、ユタ州以外の5つの州で5人の秘書を雇って、購入者から支払いを受け取り、オーストラリアの電子メールサービスを利用し、オンライン活動を行う際に匿名化プログラムを用いた。10人以上の人々が商品の代金としてペントラック被告に20万ドル以上を支払った。さらにペントラック被告は逮捕後、2人の人物に頼んで、自分のアパートにあるコンピュータ2台と自身の詐欺行為に関連する資料を、当局に押収される前に処分してもらおうとした。連邦当局に対して、自身の詐欺行為に関する虚偽の証言も行った。

 カリフォルニア中央地区連邦地裁では、連邦大陪審がルーマニア人のコンピュータハッカーならびに5人の米国居住者を、同州サンタアナのIngram Microから1000万ドル以上のコンピュータ機器を共謀して盗んだ容疑で起訴した(8月6日の記事参照)。起訴状によると、カリン・マテイアス被告はIngram Microのオンライン注文システムをハッキングし、コンピュータおよびコンピュータ機器に関する虚偽の注文を行った。同被告はインターネット詐欺団と共謀し、全米の十数カ所に注文した機器を配送するよう指示したとされている。

 Microsoftとサイバーセキュリティ団体Americans for a Secure Internet(ASI)は、Operation Web Snareにおける司法省の取り組みを賞賛している。逮捕件数は、捜査当局と民間企業の協力が「ますます先進的かつ破壊的な手段を用いるサイバー犯罪者を食い止めることができる」ことを示すものだと、Microsoftのブラッド・スミス上級副社長兼顧問弁護士はリリース文で述べている。

 またAssociation for Competitive Technology(ACT)の広報責任者でASIの会員を務めるモーガン・リード氏は、「これは、『優秀な警官が目を光らせている』というインターネット犯罪者へのメッセージとなった」と言い添えた。「この一斉摘発が、インターネット犯罪に対する長期キャンペーンのほんの始まりであることを願っている」とも。

 今回の記者会見は、司法省がこの2日間で行った2番目のインターネット関連の発表となった。同省は25日、P2Pネットワークを利用した海賊行為に対する初めての連邦当局の捜査として、5カ所の個人宅とISP 1社の強制捜査に踏み切ったと発表した(8月26日の記事参照)

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