「CMSを入れても効果が出ない!」――ステレントの山下氏が原因を解明(2/3 ページ)

» 2004年09月01日 19時49分 公開
[岩崎史絵,ITmedia]

 また、テンプレートの作成についても、GUIベースの設計画面が用意されているため、開発期間もコストも抑えられる。

 「これにより、コンテンツを作成してからすぐにWebサーバへ配信することができます。もちろん版は管理されているので、上書き保存してしまうことはありません。また、実際の公開にあたっては承認フローのプロセスを経るため、作成途中のコンテンツが外部に公開されてしまうことはありません。一方、コンテンツはセキュリティ対策を施しているため、不正な書き込みなども防御できる。」(同氏)

あらゆるドキュメントをあらゆるデバイスに

 次に、ドキュメント管理の問題点について考えてみよう。ドキュメント管理の場合、電子データと書類の2つの側面を考える必要がある。電子データの最大の問題点は、各スタッフのデスクトップに情報が分散し、最新版の管理ができないこと。また、紙の書類の場合は、保管場所を取るうえ、検索しにくいという欠点がある。また、古い書類を無駄に保管しているなど、ライフサイクルの面から見ても課題を抱えている。

 これらの問題点を解決するには、ドキュメントの作成から廃棄までを一元的にカバーする「ライフサイクル」という概念が重要になる。しかも、あらゆる形態のドキュメントやデバイスに対応し、配信しなければならない。

 ほとんどのCMS製品はドキュメントのライフサイクル管理機能を備える。一方、ステレントのCMSの特徴は、ドキュメントの変換機能にあるという。山下氏によると、「フォーマット変換エンジンは他社を上回っており、現在400社の企業にOEM供給している。」とのことだ。

 例えば、ステレントが提供する「Lotus Notes Converter」は、Notesのデータを変換してステレントのコンテンツサーバに格納する仕組み。マッピングツールを使い、Notes文書のテキストや数値といったデータをXML化し、スタイルシートを使ってWebブラウザに配信するので、「Notesで閲覧する以上に見やすい画面をWebで確認できる」とのこと。また、XMLなどの汎用フォーマットに対応しているため、携帯電話やPDAなどあらゆるデバイスに適したフォーマットに変換し、配信するのも容易だという。

いま一度「社内コンテンツの管理」を考えてみよう

 現在、企業が抱えているコンテンツ管理のニーズの多くは、Webと社内ドキュメントの2つに集約されるといってよい。

 「ステレントは、この2つの機能を提供するほか、ポータルやグループウェアなどのパッケージと連携できるので、社内のあらゆる情報の一元管理と優れたアクセシビリティ機能を提供できる。」(山下氏)という。同社ではこれを表す新しい概念として「ユニバーサルコンテンツマネジメント」を提唱している。

 ユニバーサルコンテンツマネジメントに必要なのは、日々の仕事の中でコンテンツ作成に携わるビジネスユーザーに対し、日常業務をこなす中で意識させずにコンテンツ管理を実現させること。そのためMicrosoft Officeなど一般的なアプリケーションとの親和性を高め、Explorerで表示されるフォルダの中にファイルを放り込むだけでコンテンツサーバがバージョン管理してしまう仕組みになっている。

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