ソフト移植はもう不要? 新興企業が汎用エミュレータ発表

画期的な汎用エミュレータ「QuickTransit」が発表された。額面どおりの性能ならば、仮想マシン上でネイティブ環境の80%の性能を発揮できるという。

» 2004年09月15日 05時16分 公開
[ITmedia]

 新興企業の米Transitiveは9月13日、特定のプロセッサ/OS用のアプリケーションを別のプロセッサ/OSで実行できるソフト「QuickTransit」を発表した。これでソフト移植の必要はもうなくなるとうたっている。

 同社の発表によると、QuickTransitを使えば特定のプロセッサとOS用に開発されたソフトを、別のプロセッサとOS上で実行することが可能になる。ソースコードやバイナリに手を加える必要は一切ないという。

 QuickTransitは同社独自のモジュール式アーキテクチャを採用、エンドユーザーが介入することなくOS上で稼動するという。アプリケーションが実行されるとQuickTransitの「フロントエンドデコーダ」がバイナリコードを読み取って翻訳。「最適化カーネル」がこのコードを最適化し、それを「バックエンドコードジェネレータ」で目標のプロセッサ用にエンコードする仕組み。

 画期的なハード仮想化技術によって100%の機能性を備え、アプリケーションはネイティブ環境で使用した場合の80%の性能を発揮できるとTransitiveは説明。事実上どんなプロセッサとOSの組み合わせにも対応が可能だとしている。

 「ソフトアプリケーションをハードプラットフォーム用に移植するのは困難で高くつくことが多いのが現実だ。QuickTransitはハード/ソフトの依存という厄介な歴史を打ち破り、コンピュータ業界にすぐさま恩恵をもたらす」。社長兼CEOのボブ・ワイダーホールド氏は広報資料でこうコメントしている。

 Itanium、Opteron、x86、POWER/PowerPCの各プロセッサに対応したバージョンが用意されており、主要OEM向けに出荷を開始。料金は顧客の導入戦略に応じて技術ライセンス料と利用料がかかるとしている。

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