大規模気象情報サービスに東芝ソリューションと日本IBMのLinux HPCクラスタ採用

東芝ソリューションと日本IBMは、両社が提供するLinux HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)クラスタが、東芝が展開する気象情報サービス「Weather-plus」のシステム基盤として採用されたことを明らかにした

» 2004年10月18日 21時37分 公開
[ITmedia]

 東芝ソリューションと日本IBMは10月18日、両社が提供するLinux HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)クラスタが、東芝が展開する気象情報サービス「Weather-plus」のシステム基盤として採用されたことを明らかにした。社会インフラ向けプラットフォームとして、Linuxを使った139ノード構成のサーバ群を、クラスタソフトウェアで一元管理することで、大規模並列演算を行う。また、システムの可用性向上も図ったとしている。

 東芝の気象情報サービス「Weather-plus」は、企業や地方自治体の上下水道事業者といった官公庁向けに、5キロメートル四方の小さな区域ごとに雨(雨・雪・あられなど種類、量)、風(風向、風速)、気温などの予測を行ない、有料でデータを提供する情報サービスとなっている。レーダーなどの観測情報を予測に反映させることにより、近年問題となっている局地的集中豪雨の予測などにも効果を発揮しているという。

 今回は、サービスエリアの拡大と予測精度の向上にあたり、「決められた時間内に演算処理を完了し、予測結果を配信する」「システムを安定的に連続稼働する」といった要件がプラットフォームに求められたという。

 東芝ソリューションは、プラットフォーム構築を担当した日本IBMと協力し、多数のサーバを用い、並列演算で処理時間を短縮するLinux HPCクラスタを採用して、この要件を満たすシステムを実装した。

 高速演算と省スペース性を特徴とする日本IBMのブレードサーバの筐体「IBM eServer BladeCenter」に、91枚のブレードを格納したシステムを中心に、139ノードにおよぶサーバ群を、東芝ソリューションの統合クラスタソフトウェア「DNCWARE ClusterPerfect EX」で一元管理するシステムとなっている。

 これにより、予測演算の大規模並列化に加えて、データ受信、コンテンツ生成、配信や制御といった多種サービスを一元管理できることにより、待機サーバをはじめとするリソース全体の有効活用と高い可用性を維持できるようになったという。

 同システムは、サーバをクラスタ化することで、全体のパフォーマンスを向上させるスケールアウト型の統合をLinuxで実現するもの。システム構築には、実際の稼働環境を想定した性能診断チューニングや、可用性設計の質の高さをアピールする東芝ソリューションのノウハウが生かされている。

 また、DNCWARE ClusterPerfect EXとeServer BladeCenterを利用したことで、システムの自己修復や自己最適化を実現するオートノミックコンピューティングに容易に対応できるプラットフォーム構成になったとしている。

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