「管理者による集中管理を行おう」――。マイクロソフトとトレンドマイクロは、中堅・中小企業向けのセミナー「IT実践塾 セキュリティ編」で呼びかけた。
マイクロソフトとトレンドマイクロは10月20日、都内で中堅・中小企業向けのセミナー「IT実践塾 セキュリティ編」を開催した。
IT実践塾は、従業員90人までの中堅・中小企業をターゲットにビジネスにおけるIT活用の底上げを図ろうと、マイクロソフトが2001年から全国で開催しているセミナー。Windows XP SP2をリリースしたこともあり、10月からはセキュリティをテーマに行われる。
「管理者による集中管理を行おう」――。マイクロソフトとトレンドマイクロがセキュリティ管理の第一歩として、中小企業に呼びかけた。
ビジネスにインターネットを活用する以上、大企業だろうが、中所企業だろうが、事業規模に関係なく最もセキュリティが弱いところが狙われる。中小企業にとっては、専任の管理者を置くことは人的リソースなどからも難しいかもしれないが、しっかり管理が行き届いていなければ、セキュリティレベルを継続的に保っていくのはどうしても難しい。
「セキュリティ対策に必要なのは、人的な側面、技術的な側面の両方から必要な対策を管理していくこと」と、講演した伊藤哲志氏(ビジネスWindows製品部プロダクトマネジャー)。
マイクロソフトはセキュリティ機能を大幅強化した「Windows XP SP2」を9月にリリースしたが、会社の資産・情報を守るセキュリティの確保には技術的側面でしか支援しきれない。
Windows XP SP2では、「Windowsセキュリティセンター」と呼ばれるセキュリティ機能管理や、Windowsファイアウォールのデフォルトオン、ポップアップブロック、HTMLメールや添付ファイルからの保護、メモリ保護といった機能を搭載。それにより、「PCを最新の状態に更新するといっても、仕方が分からない」「ウイルス対策ソフトのことは知っていても、正しい運用の方法を知らない」といった問題は、機能的に防ぎやすくなっている。しかし、これらが徹底されているか、しっかり社内の管理をしていく責任者を決めておく必要がある。
トレンドマイクロの安元正和マネジャー(エンタープライズ営業統括本部ストラテジックマーケティンググループ)の意見も同様で、この責任者が感染時の問い合わせ方法など、ウイルス対策ガイドラインを決めて、最低限の社内教育、対策ソフトの適切な運用を行っていく必要がある、と話した。
そして、「この責任者だけでも、しっかりとした知識を身につけさせる必要がある」と安元氏は加えた。
トレンドマイクロの製品でも集中管理のしやすさには力を入れており、中小企業向けに容易に管理が行えるゲートウェイ用の「TREND MICRO InterScan VirusWall for Small and Medium Business」クライアント/サーバ向けには「TREND MICRO Client/Server Security」が用意されている。
また、サーバのない環境であっても、10月22日に発売する最新の「ウイルスバスター 2005」では、別のPCにインストールされたウイルスバスターをリモートから管理できる機能を備えている。
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