2004年のIT市場は4年ぶりのプラス成長に──IDC Japan

IDC Japanは、国内製品別IT市場の規模予測および動向について発表した。2004年のIT市場は4年ぶりのプラス成長に転じ、今後は、アウトソーシングサービスやパッケージソフトウェア市場が伸びると予測。

» 2004年10月21日 16時09分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは10月20日、国内製品別IT市場の規模予測および動向について発表した。

 これによると、2004年第2四半期(4〜6月)の調査時点において、2004年の国内IT市場規模は対前年比1.4%増の11兆1747億円。また、2003〜2008年までの年平均成長率は2.1%で、2008年には12兆2245億円に達する見込みだ。

グラフ 国内製品別IT市場規模推移:2002年〜2004年 (単位:兆円)

 国内IT市場規模は2000年をピークにマイナスで推移してきたが、2003年からは日本経済が回復基調に入り、IT投資も回復してきていることから、2004年のIT市場は4年ぶりのプラス成長に転じると、同社は予測している。

 国内IT投資動向を製品分野別に見ると、ITサービス支出の促進要因が強まっており、とくに、アウトソーシングサービスの利用は企業経営とIT業務効率化の2つの観点から投資効果が高く、需要の伸びは2004年以降継続していく。

 また、パッケージソフトウェア市場は、ネットワークと融合するシステムの複雑化、トランザクションの急激な増加に伴い、セキュリティソフトウェアやストレージソフトウェア分野で高い成長が見込めそうだ。

 一方、ハードウェア市場は、低価格製品への需要シフトに加え、ITデフレやベンダー競合による製品価格の低下傾向に今後も大きな変化は見られないため、引き続き縮小するとみている。

 同社リサーチアナリストの曹玖華氏は、「厳しい経営環境の下、企業ユーザーの情報化の目的は、業務合理化から、売上増大や顧客満足度の向上などにつながる経営戦略強化へとシフトしている。この方向性が企業ユーザーにとって企業力を高める決め手になるからである。この要求に応えるためにITベンダーは企業ユーザーそれぞれの経営戦略、顧客サービスの内容を分析し、柔軟な対応をしていく必要がある」と分析している。

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