Notes/Dominoはビジネスアプリケーションの統合基盤に

登場以来15年間、グループウェアとして市場の流れと共に革新を続けているNotes/Domino。10月22日、Notes/Domino開発担当責任者の米IBMのケビン・キャバナー副社長が来日し、今後のトレンドは「コンバージェンス」と方針を話した。

» 2004年10月22日 19時00分 公開
[堀 哲也,ITmedia]

 グループウェアの進化そのものともいえるNotes。登場以来15年間、グループウェアとして市場の流れと共に革新を続けている。2005年のリリースに向けて現在、IBM Workplace構想に対応する「Notes/Domino 7.0」のベータテストが進行している段階。

ケビン・キャバナー氏 「日本は欧米に比べてアップグレードに慎重な立場をとると感じている」と話すNotes/Dominoの開発を統括するケビン・キャバナー氏

 10月22日、Notes/Domino開発担当責任者の米IBMのケビン・キャバナー副社長が来日、今後のトレンドは「コンバージェンス」(統合)と方針を話した。次期バージョンの7.0では、拡張性やCUP利用率の向上だけでなく、Workplaceリッチクライアントのプラグインがサポートされるほか、主要電子メール/PIMポートレット、Workplace IMとの互換、Webサービス対応など、アプリケーションの統合プラットフォームとして発展させていく方針が色濃く見える。

 Notes/Dominoは今後も、ヒトを中心にビジネス生産性を向上するアプリケーションの統合のための標準プラットフォームになることを目指そうとしている。

 同氏は、「Notes/Domino 6.5.1」を「1996年以来の大きな変化」と第2のビッグウェーブと位置づける。「1996年当時、多くの人々は、インターネットによりはNotesは死ぬだろうと言った。だが、Notesはインターネット標準を取り入れ、クライアントとサーバを切り離すDominoを投入することで、ビジネスのやり方を変えてきた」(同氏)。

 そして、いま再びの大きな変化が、J2EEやオープンソースの技術進化が市場に大きな変化をもたらそうとしており、これらを取り込むことで、96年の変化に匹敵することが起こると考えているようだ。例えば、オープンソースの開発環境の「Eclipse」をフレームワークに取り込むことで、Notesでないアプリケーションを統合でき、クライアントサイドでのコラボレーションが大きく飛躍する可能性を秘めている。

「Eclipseがオープンソースであることに注目した。他ベンダーがNotes向けのアプリケーションを書きやすくなるし、NotesやDominoのフレームワークと関係のないソフトがNotes上で利用できるようなる」(同氏)

 さらに2006年から2007年に掛けて控えている「Notes/Domino 7.x/8.0」では、コラボレーション環境にビジネスアプリケーションを取り込めるようにしたい、と意気込みを話した。

 また、現在欧米ではNotes/Domino 6/6.5へのアップグレードが順調に進んでいるようで、8月の時点で73%が移行を完了、13%が移行中であるとアピールした。ただし、日本ではビジネス慣行やワーキングスタイルの違いから、9〜12カ月ほど移行が遅れてる傾向にあるという。

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