IDC Japan、国内オプティカルオートメーション市場の中期予測を発表

IDC Japanの中期予測によれば、国内オプティカルオートメーション市場は安定成長が見込まれるだろうという。

» 2004年11月02日 13時50分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは11月1日、国内オプティカルオートメーション市場の中期予測を発表した。

 これによると、同市場の2004〜2008年における年間平均成長率(CAGR)は売上、出荷台数ともに4.8%になると予測されている。

 これまで、国内オプティカルオートメーション市場は安定成長を続けてきたが、2003年は売上が20億8300万円で前年比18.7%減、出荷台数は1103台で同18.0%減となった。これは、前年の官公庁向け大型特需の反動や、主力ベンダーの機種切り替えに伴う機会損失などが影響しているという。

 国内オプティカルオートメーション市場の特徴は、DVDレコーダブルドライブ(DVD-R/RW、DVD-RAMなど)搭載機の比率が高い点で、2003年の出荷台数に占めるDVDレコーダブル搭載機の比率は79%に達している。国内の有力ベンダーがいずれもDVDレコーダブル搭載機を主力としているのに加え、DVDレコーダブルドライブ/メディアの低価格化が進展していることが理由のようだ。

 また、ユーザーが抱えるアーカイブデータの増大に伴い、スロット数(メディア収納枚数)の多い大容量機の需要が拡大している。2003年の出荷台数に占める500スロット超の大容量機の比率は71%(前年61%)に上昇している。

 これまでは、医療や官公庁向け需要が同市場の成長をけん引してきたが、今後は、一般企業でも、コンプライアンス(法令順守)対応の強化に伴い、各種業務関連データや電子メールに対するアーカイブ需要が拡大することが予測されており、アーカイブ需要の拡大に伴い国内オプティカルオートメーション市場も中期的には安定成長していくと、同社は分析している。

 しかしながら、大手ストレージベンダーは、ローコストHDDを搭載したディスクシステムをアーカイブストレージとして相次いで市場に投入している背景もあり、テクノロジー間の競合は激化している。同社リサーチマネージャーの森山正秋氏は、「オプティカルオートメーションがテクノロジー間の競合に打ち勝ってアーカイブ需要を獲得していくためには、データの改竄ができないWORM(ライトワンス・リードメニー)機能やリムーバブル性といった光ディスクの特徴を活かした製品戦略での差別化や、医療、官公庁以外での新しいアーカイブ需要の開拓が重要になる」としている。

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