Intel Solutions Day 2004、SOE構想とItanium 2の前進をアピール(1/2 ページ)

Intel Solutions Day 2004で、ジョン・デイビス副社長はサービス指向エンタープライズ構想を説明したほか、発表されたばかりのItanium 2プロセッサについても顧客やパートナーらの支持が高まっていることを強調した。

» 2004年11月10日 18時53分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 インテルは11月10日、都内のホテルで「Intel Solutions Day 2004」を開催した。オープニングの基調講演に登場したセールス/マーケティング部門のジョン・デイビス副社長は、標準ベースの技術革新によってビジネスを変革する「サービス指向エンタープライズ」(SOE:Service Oriented Enterprise)構想について話したほか、前日9日に発表されたばかりの新しいItanium 2プロセッサにも触れた。

セールス/マーケティング部門でソリューション担当GMを務めるデイビス氏

 9月7日のIntel Developer Forum Fall 2004で明らかにされたSOEは、モビリティ、グリッドコンピューティング、管理機能などの要素技術を集めたフレークワーク。企業はこれらの技術革新を活用することによって、より良いエンタープライズコンピューティング環境をデザインでき、ビジネスの変革を一層推進することができるという。

 デイビス氏は、インテル自身がリードするモビリティを例に挙げた。Centrinoが登場する以前は無線LAN機能を搭載したノートブックPCはわずか10%に過ぎなかったが、2004年は65%、2005年には90%に達すると予測されている。

 「携帯電話や携帯端末はますますパワフルになり、しかも通信機能も強化されている。コンピュータと通信の融合は、ビジネスのやり方を変革しようとしている」とデイビス氏。

 英国のBritish Gasは、約6000人のサービスエンジニアにCentrinoを搭載した松下電器のToughbook CF-18(耐衝撃などを高めたビジネスPC)を配布し、作業指示を紙ベースからオンラインに切り替えた。自宅や無線LANスポットからその日の訪問先、顧客のサービス履歴、実際に求められている作業といった情報がダウンロードできるようになったため、年間の訪問回数が従来の2.5倍にあたる650万回に増えたという。

スパコンTOP500の64%はIA

 もちろん、Itanium 2によってデータセンターの変革も進む。

 9日に量産出荷が始まったばかりのItanium 2 MP 1.6GHz/9MバイトL3キャッシュは、昨年出荷された同1.5GHz/6MバイトL3キャッシュに比べ、データベース処理で18%、浮動小数点演算処理においては25%、それぞれ性能が向上している。

 折りしも先週、TOP500スーパーコンピュータサイトが更新されたが、Intelプロセッサが搭載されたシステムが320を占め、うち83はItanium 2システムとなった。Itanium 2システムはHPC分野で急速にシェアを伸ばしており、TOP500でも1年前は32システムだったが、約2.6倍となった。

 ランキングでも、SGIが米航空宇宙局(NASA)に納入したItanium 2ベースの「Columbia」が2位に食い込んでいる。1万240個のItanium 2を搭載したSGI Altixクラスタシステムは、52テラFlopsの性能を叩きだし、NASAの演算能力を約10倍に引き上げたという。

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