パフォーマンスを80%改善、ベリタスがAPMソフトの新版

ベリタスは11月10日、アプリケーションパフォーマンス管理ソフトの最新版「VERITAS i3 v.7」を発表した。複雑化しているアプリケーション環境のボトルネックを特定して、解決策を提示するソフトウェア群。

» 2004年11月10日 21時06分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 ベリタスソフトウェア(ベリタス)は11月10日、アプリケーションパフォーマンス管理(APM)ソフトの最新版「VERITAS i3 v.7」を発表した。「VERITAS Cluster Server」や「VERITAS Storage Foundation」との統合を進めるなど、既存ベリタス製品との統合化が図られている。

 「VERITAS i3」はその名の通り、「Insight」「Indepth」「Inform」の3つiを持つコンポーネントから成り立つ製品。これらを組み合わせて使用することで、複雑化したアプリケーション環境のパフォーマンスのボトルネックに対し、問題の切り分け、原因のドリルダウン、解決策のリコメンデーションまでを行う。閾値を設定することで、問題発生前にアラートをあげることもできる。

 「アプリケーション環境は、複数に階層化されており、サービスのパフォーマンスに問題があっても、ネットワーク、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベース、ストレージ、このどの層が問題なのか特定することは難しくなってきた。VERITAS i3はパフォーマンス管理をシンプルにすることができる」と、米VeritasのAPM製品担当マネジャーのトム・モルヴヒル氏。

 Insightがパフォーマンスのボトルネックを特定し、Indepthでその問題の詳細な原因を分析する。Informは、問題が生じそうになるとアラートを発するなどの機能を提供する。これらは単体でも導入可能だ。

 最新版では、主にソフトウェアからハードウェアまで、アプリケーションの可用性に影響を与える問題を分析して、実際に発生する前に解決策を提供できるようになった。また、クラスタなど異なるサーバで稼動する複数のアプリケーションを直感的なユーザーインタフェースで、比較しながらITインフラを最適化する「アプリケーションランタイム分析」機能を備えた。

 問題に対する解決策を提供するSmartTune機能では、変更前のシミュレーションが可能になった。

 モルヴヒル氏によれば、Amazon.comがVERITAS i3を使用して、アプリケーションのパフォーマンスや可用性を確保していることに成功している。同社は事業を拡大していく中で、現在では110のサーバと135のデータベースにまで増加している。「ここまで複雑になってしまった環境は、i3なしには管理できない」と同氏。

 また、国内でもSAP R/3、Oracleデータベース環境の問題をVeritas i3で特定し、高付加のSQL文によるボトルネックを発見。解決策に応じてチューニングを施したところ、処理時間を80%した事例もあるという。

 VERITAS i3 v.7からは、特定のアプリケーション環境に特化させたパッケージ提供も行う。用意されるのは、SAP、Oracle、SQL Server、J2EE、PeopleSoft、Siebel、Oracle e-Business Suite、Webベースアプリケーション用。価格は1CPU当たり38万1150円から。

 VERITAS i3 v.7のコンポーネントは、最小価格で19万1100円から。英語版を12月から出荷し、日本語版は2005年に出荷する予定だ。

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