アドビがAcrobat 7.0発表、「電子文書のライフサイクル全体を支援」と執行副社長(1/2 ページ)

アドビが「Adobe Acrobat 7.0」を発表した。石井社長が「実りの多いバージョンアップ」と話すとおり、安心して重要な情報をファイアウォールの内外で共有できるプラットフォームへと仕上がっている。

» 2004年12月01日 18時10分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 アドビシステムズは12月1日、電子文書の作成および管理ツールのスタンダードであるAdobe Acrobatの最新版、「Adobe Acrobat 7.0」を発表した。

 石井幹社長が「実りの多いバージョンアップ」と話すとおり、7.0では起動およびPDF変換に要する時間が大幅に短縮されたほか、PDFファイルを視覚的に一元管理できる「PDFキャビネット」機能や、Adobe LiveCycle Policy Serverと組み合わせることによってきめ細かなアクセス制御も実現された。安心して大量かつ重要な情報をファイアウォールの内外で共有できるプラットフォームへと仕上がっている。

LiveCycle Policy Serverと組み合わせると受信者の選択やセキュリティポリシーを設定できる

 また、来年4月1日から電子文書法が施行されれば、法律で保管が義務付けられていた文書の電子化が可能になる。内容が改ざんされていないことを証明するタイムスタンプ付きの電子署名にも対応した。

 都内のホテルで行われた記者発表会のために、米国本社から製品マーケティングと開発を統括するシャンタヌ・ナラヤン執行副社長も来日し、AcrobatとLiveCycleからなる同社のIntelligent Document Platformを売り込んだ。

 「われわれのソリューションは、生成、コラボレーション、アーカイブ、およびセキュリティという電子文書のライフサイクル全体を支援する」とナラヤン氏。

開発とマーケティングを統括するナラヤン氏

WebサービスでIBMやSAPと連携

 来春にも日本市場に投入されるAdobe LiveCycleは、さまざまなドキュメントサービスを提供するサーバ製品群の総称。Acrobatが必要に応じてPDFファイルを生成し、共有し、管理する個人向けのツールであるのに対して、LiveCycleは企業のバックエンドで定型的、あるいは構造的に電子文書を扱うためのサービスをまとめ上げたもの。2002年に買収したXMLフォームベンダー、Accelio(旧JetForm)の技術も完全に統合されているという。IBM WebSphereやSAP NetWeaverとの連携を狙い、作成、コラボレーション、アーカイブ、セキュリティの各種機能はJ2EEベースのWebサービスとして提供される。

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