グリッドのインフラとしてNetAppが威力を発揮Interview(1/2 ページ)

ニューヨークで開催されたNetApp Press and Analyst Event。創設者の一人で、現在エンジニアリング担当上席副社長のヒッツ氏は「グリッドが花開く中で、大きく優位性を発揮する」と話す。

» 2004年12月06日 16時55分 公開
[聞き手:堀哲也,ITmedia]

 NetAppは1992年に創立された。現在エンジニアリング担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるデイブ・ヒッツ氏は、同社の生みの親の一人。高性能ファイルシステム「WAFL」をプログラミングしたキーパーソンだ。

 NetAppは、シンプリシティ(簡素)を信条にネットワークストレージNAS市場を切り開いてきた。現在、ストレージユニフィケーション、そしてグリッドとこれまでの延長線上にある新展開を図っている。

 NetAppがストレージ業界に与えてきた影響を何かと尋ねると、「難しい質問だ」と間をおくものの、「グリッドが花開く中で、これまでの取り組みが大きく優位性を発揮することになる」と同氏は話す。

デイブ・ヒッツ氏 ジェームズ・ラウ氏とともにNetAppを創設したヒッツ氏

――1992年にNetAppを創業して以来、ストレージ業界でどのような役割を果たしてきたと考えますか?

ヒッツ氏 とても難しい質問ですね(笑)。二つあると思います。シンプルなアプライアンスを提供してきたというのがまず一つでしょう。それはシスコシステムズの創業期をコピーしたといえるようなものです。TCP/IPのルーティングをコンピュータでやるのでは複雑すぎると、シスコはルータを開発しました。それと同じです。もっとシンプルにしたいとNASアプライアンスを開発したわけです。

――簡単すぎて「トースター」と呼ばれた逸話を耳にしています。

ヒッツ氏 そうです。初めはエンジニアが利用するのが多かったので、すぐに受け入れられました。エンジニアというのは、シンプルな技術を受け入れようとしますから。

 しかし、エンタープライズになると求められてくるのは、コスト削減という要求です。複雑性を排除するという意味で、シンプリシティはコスト削減を可能にすることが認められたのです。

 二つ目は、イーサネット上のストレージにフォーカスしてきたことです。データベースアプリケーションのストレージはいまこの形体で使用されています。NetAppはOracleの初めての認定アプライアンスでもあり、両社は3000の顧客をかかえています。Oracleのアウトソーシングセンターで利用されているストレージはNetAppでもあります。

 ファイバチャネル(FC)と比べて、どっちが複雑か、そんな議論はしません。しかし、FCは固有の技術を習得しなければなりませんし、そういう人材を必要とします。それがIPとなれば異なってきます。シンプルというのは、コストを削減するのです。

――“データマネジメントの簡素化(シンプリファイ)”が一つのトレンドになっています。管理の簡素化という点では、鍵となるテクノロジーは何でしょう。仮想化ですか? 管理ツールですか? ILMでしょうか?

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