Oracle OpenWorld 2004 San Franciscoでフィリップス社長は、「The Information Company」を掲げた。「価値ある情報こそが時を越えた資産として企業を駆動し続ける」とし、その重要性を訴えた。
まるで夏のような東京から移動したせいか、四季がないサンフランシスコでも例年より朝の冷え込みが厳しく感じられる。ダウンタウンのあちらこちらでクリスマスツリーが華やかさを競う中、Oracle史上過去最大のイベントが開幕した。
米国時間12月6日朝、オープニングセッションを皮切りに「Oracle OpenWorld 2004 San Francisco」が始まった。これまでは別々に開催されていたテクノロジー(Oracle Database、Oracle Application Server)とアプリケーションのカンファレンスを統合したもので、米国では初めての開催となる。木曜日までの4日間、ラリー・エリソンCEO、Hewlett-Packardのカーリー・フィオリナCEOやSun Microsystemsのスコット・マクニーリCEOらのキーノートを含む、約600のセッションが予定されている。
7000人は入ろうかという会場でオープニングセッションのスピーカーを務めたのは、昨年5月、ウォール街のスターアナリストから鳴り物入りでOracle幹部に転進したチャールズ・フィリップス氏。就任早々、同社がPeopleSoft買収を仕掛けたことから、彼がこの件に大きな役割を果たしていることは容易に想像できる。PeopleSoftとの泥仕合が1年半も続いていることから、不運にも「買収仕掛け人」のイメージが付きまとうフィリップス氏だが、1月には社長に昇格、ラリー・エリソンCEOの右腕として同社を舵取りしてきた。
そんな彼が社長として初めて臨んだOracle OpenWorld San Franciscoで掲げたのは「The Information Company」だった。今後Oracleが語られるとき、新しい枕詞として広範に使われていくことが期待されている。
フィリップス氏はオープニングセッションの中で、FedExを引き合いにしながら、情報のパワーでビジネスを変革する「Information Driven Enterprise」の概念を紹介した。
「FedExのフェデリック・スミス創設者兼CEOは、“荷物の情報は荷物そのものと同じくらい重要だ”と言った。時を越えて資産として残るのは情報。企業全体を流れ続け、企業を駆動し続ける」とフィリップス氏。
多彩な機能ではERPの雄であるSAPに譲るが、強力なデータベースやアプリケーションサーバを持ち、オープンさとデータ中心のアーキテクチャで勝るOracleは、その強みを最大限に生かそうとしている。
The Information Companyを新たに掲げるフィリップス氏は、Oracle Information Architectureをベースとして、同社の製品や技術を大まかに3つに分類して説明した。E-Business Suiteをはじめとする「Information Age Applications」、Customer Data Hubを皮切りにバリエーションを追加する「Data Hub」、そしてITリソースの簡素化と最適化を実現する「グリッド」だ。
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