アイサプライ・ジャパン、2005年の半導体市場の成長率を4.7%と予測

アイサプライ・ジャパンは、2005年の半導体売上高成長率の予測を下方修正した。2004年に発生した過剰在庫の削減に引き続き取り組むことになると見られている。

» 2004年12月08日 15時05分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 アイサプライ・ジャパンは12月7日、長引く半導体の過剰在庫とともに、電子機器生産の成長率が予想を下回ることから、2005年の半導体売上高成長率の予測を下方修正した。

 2005年の世界半導体売上高について同社の前回の予測では、2004年の2226億米ドルに対して9.6%増としていたが、これを下方修正、修正した予測では、4.7%増の2371億米ドルになると予測している。また、半導体売上高を牽引する電子機器生産による売上高の成長率は、2004年の前年比10.1%増から2005年には同6.2%増まで下がると予想される。

過剰在庫対策に取り組む半導体メーカー

 2005年初めの半導体業界は、引き続き2004年に発生した過剰在庫の削減に取り組むことになると見られている。エレクトロニクスのサプライ・チェーンにおける半導体過剰在庫は、2004年第1四半期の事実上ゼロから上昇を続け、第2四半期に8億ドル、さらに第3四半期には16億ドルに膨れ上がった。この過剰在庫が第4四半期末にはかろうじて15億ドルにまで削減されるものの、対処すべき過剰在庫の大半は2005年に持ち越されるものと同社は予測している。

 このことが、半導体の平均売価(ASP:Average Selling Prices)の低迷を招き、2005年の成長を妨げる要因となる。

四半期成長率の見通し

 過剰在庫の影響に関わらず、2005年の半導体業界は通常の四半期ごとの成長パターンを続ける。2005年第1四半期の半導体売上高は、2004年第4四半期に比べ、マイナス2.9%減少すると予測される。このような連続的な減少は、休暇シーズン後の売り上げが沈静化するように、半導体の世界市場において典型的なことである。第2四半期に入って成長は回復し、売上高は1.1%増加、さらに第3四半期に1.9%、第4四半期には3.3%の伸びを示すと見られている。

2004年を振り返って、そして2005年以降は

 同社の市場シェア予測データは、2004年は2003年に比べ24.4%増の成長率に落ち着くと推測している。これにより、半導体売上高は2266億米ドルに達することになる。

 また、同社は現在でも2006年が半導体周期の底になると確信している。2005年下半期には、半導体売上高は上半期に比べ4%増となり、まずまずの成長を示すが、この季節的な上昇は、2006年の市場回復には結びつかず、また、DRAMの売上高の停滞が、2006年の半導体成長率をわずか2.2%に押さえ込んでしまうと見られている。しかし、2007年と2008年には2桁成長によって、回復の兆しが見られると同社は予測している。

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