ノベル、モバイル機能を強化した「Novell SUSE LINUX Professional 9.2」日本語版を発表

ノベルは個人ユーザーを対象とした「Novell SUSE LINUX Professional 9.2日本語版」を12月24日より販売する。モバイル機能が強化されているのが特徴。

» 2004年12月21日 16時34分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 ノベルは12月21日、個人ユーザーを対象としたLinux OSの最新版、「Novell SUSE LINUX Professional 9.2日本語版」(SLP9.2)を、12月24日より販売開始すると発表した。SLP 9.1では、「ベーシック版」と「プレミアム版」の2種類が存在していたが、同バージョンは「プレミアム版」に相当する1種類のみが提供される。

 パッケージには、インストールCD(5枚)、日本語版拡張CDのほか、32ビットおよび64ビット版のインストールDVD、ソースDVD、1200ページ以上の日本語マニュアル(2冊)が同こんされる。また90日の無償インストレーションサポートがつく。

ATOKからWnnへ、その理由

 SLP9.2の主なパッケージ構成は、Linuxカーネル2.6.8、X.Org 6.8.1、GCC 3.3.4、glibc 2.3.3、KDE 3.3、GNOME 2.6など。日本語版では日本語版拡張CDにリコーフォント13書体のほか、かな漢字変換ソフト「Wnn7」が収録されている。SLP 9.1では「ATOK X for Linux」が採用されていたが、変更の理由としては、64ビット環境でネイティブに動作する商用のかな漢字変換ソフトが現状ではWnn7だけであったことが挙げられる(ATOK X for Linuxは32ビットエミュレーションで動作)。

デスクトップ画面 SLP 9.2のデスクトップ画面(クリックで拡大)

 そのほか、OpenOffice.org1.1.3、GIMP2、Firefox 0.9といったおなじみのソフトのほか、ビデオ編集ツール「MainActor 5.2」(デモ版)やベクターグラフィックアプリケーション「Inkscape」など多彩なソフトが用意されている。

 GUIベースのシステム管理ツール「YaST」は機能強化され、Bluetooth、IrDAの設定も可能となったほか、UMLのインストールもYaSTから操作可能。ノベルからはUML用のカーネルも提供される。なお、ノベルでは「Delta Package」と呼ばれる差分情報のみを伝えるRPMパッケージの提供も行っている。例えば、ノベルのFTPサイトに置かれている「bash-3.0-8.2.i586.rpm」が約700Kバイトであるのに対し、「bash-3.0-8_8.2.i586.delta.rpm」が約61Kバイトとなっている。

YaST YaSTからBluetooth、IrDAの設定も可能(クリックでBluetoothの設定画面を表示します)

 ノートPC用の主要なチップセットや各種デバイスなど、無線LAN対応ハードウェアのサポートが拡充されているほか、電源管理やディスクサスペンド機能、SCPM(SUSE Configuration Profile Management)との統合によるハードウェアプロファイルの容易な切り替えなど、モバイルPCでのLinux利用を支援するさまざまな機能が追加されたのも特徴。カーネルツリーに取り込まれていないデバイスについては、別途extraディレクトリを用意、同ディレクトリ以下にデバイスドライバを配置している。また、Windowsのドライバを利用するためのラッパーも用意されている。

 価格はオープン(市場推定価格は2万790円)。

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