SunのHoneycombはNFS並みになる?

大容量ストレージシステムでファイルをインデックス化・検索するHoneycomb技術は、「うまくいけば、NFSくらい大きなものになる」とSun幹部は話している。(IDG)

» 2004年12月24日 19時00分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Sun Microsystemsはひっそりと約20人のリサーチエンジニアのチームをネットワークストレージ製品部門に移動させ、大規模データアーカイブ向けの新しいストレージアプライアンスを開発する業務を割り当てた。

 この新デバイスの中核となるのが、「Project Honeycomb」と呼ばれる技術だ。これは当初、同社の研究開発部門Sun Labsで開発されていたものだ。Honeycombは、大容量ストレージシステムでのファイル検索を容易に、迅速にするために設計された新しいインデックス化・ストレージソフトを採用している。

 「これはユーザーが自分のデータを『グーグル』できるようにする」とSunのネットワークストレージマーケティング担当上級ディレクター、ジェームズ・ホワイトモア氏。

 この1年で、Sunはカリフォルニア大学サンディエゴ校のスーパーコンピュータセンターなどのベータテスター2団体と協力して、既製の部品からHoneycombストレージシステムのプロトタイプを構築してきた。

 最終的な製品構成はまだ決まっていないが、Sunは、4個のサーバノードを含む3U(高さ5.25インチ)のHoneycomb「シェルフ」を構築した。それぞれのノードには、AMDのOpteronプロセッサが搭載され、それぞれ400GバイトのATA(Advanced Technology Attachment)ドライブが装備される。

 Honeycombのソフトは、ストレージアプライアンス上のデータをインデックス化し、基本的にファイルに関する情報の大規模な分散型データベースを構築する。Honeycombアプライアンスは相互にネットワーク接続でき、ユーザーは1ペタバイトものストレージをインデックス化し、検索できる。

 Sunの研究者らは、ディスク障害時にデータが消失するのを防ぐソフトも開発した。現行のRAID製品よりも効率的で使いやすいアプローチだと彼らは主張している。

 このアプライアンスは、EMCの「Centera」デバイスやHewlett-Packardの「Reference Information Storage System」などの「コンテンツアドレッサブル」ストレージ製品と競合する可能性が高いと、Gartnerの調査ディレクター、スタンレー・ザフォス氏は語る。だが大きく違うのは、Honeycombユーザーは個々のディスクよりもサーバノードを追加することでストレージ容量を増やせるという点だという。

 Honeycombは、およそ6カ月後に製品として発表される。Sun幹部は今も既存のNAS(ネットワーク接続ストレージ)サーバの一部としてこのソフトを含めるか、あるいはスタンドアロンの製品として提供するかを議論している。いずれにしても、同社がHoneycombに大きな期待をかけているのは明らかだ。「うまくいけば、NFS(ネットワークファイルシステム)くらい大きなものになるだろう」とホワイトモア氏は話している。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ