「古い戦略」に将来を託すSunのマクニーリーCEO(1/2 ページ)

財務アナリストがSunの近い将来に厳しい判断を下す中、マクニーリーCEOは、「われわれの古い戦略を戦術に浸透させること」が同社の建て直しに必要だと考えている。

» 2005年01月11日 22時07分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Sun Microsystemsはこの2年の間に、違う会社なのではないかと思えるほど大きな変貌を遂げた。

 Sunの改革は業界の注目を集めたが、同社の業績改善を待ち続けてきた観測筋はしびれを切らし始めているようだ。

 1月13日に予定されている同社の四半期決算の発表を財務アナリストらが待ち受ける一方で、1月初め、Sanford C. Bernsteinのアナリスト、トニー・サッコナギー氏がSunを格下げしたのを受けて同社の株価は下落した。「向こう数四半期にわたり、同社の財務状況の実質的な改善を期待できない」というのが格下げの理由だ。サッコナギー氏はさらに、3年以上にわたってSunの売り上げが伸びていない点も指摘した。

 カリフォルニア州サンタクララに本社を置くSunは、利益の拡大と同社に対する信頼回復に向け、2003年以来、従業員の約6分の1に相当する7000人近くの人員削減を実施するとともに経営陣の刷新を進めてきた。

 さらにSunは、Microsoftをはじめとするライバルに歩み寄るなど、業界の一匹狼という同社のイメージの払拭にも努めた。宿敵Microsoftとの2004年4月の歴史的な和解に加え、Sunは自社のマイクロプロセッサ/システム設計業務の多くを富士通に引き渡す一方で、Advanced Micro Devicesの64ビットプロセッサ「Opteron」の強力な推進者となった。

 ソフトウェア分野でもSunは大きな変革を行った。ソフトウェア部門の責任者だったジョナサン・シュワルツ氏を社長兼COO(最高業務執行責任者)というナンバー2の地位に引き上げる一方で、同社のフラッグシップOSであるSolarisをオープンソースソフトウェアライセンスの下でリリースするという計画を発表したのだ。

 同社はまた、Javaソフトウェア製品の採用を検討している官公庁に対して市民1人当たり幾らというライセンス価格方式を用意するなど、各種のユニークなソフトウェア価格設定方式でも業界の注目を集めた。

 しかしこういった変化の中にあって1つだけ変わらないのは、同社の会長兼CEOのスコット・マクニーリー氏だ。

「古い戦略」

 共同創業者として20年余りSunの舵取りを行ってきたマクニーリー氏は、今も因習打破主義者であることには変わりはないが、ここ数年は少しばかり柔和になってきたようだ。同氏は現在、ITバブル崩壊後のSunの方針に誤りがあったこと、そして経営陣と経営理念を変更する必要があったことを認めている。

 「われわれが現在行っているのは、当社の古い戦略を戦術に浸透させることだ」と彼は話す。

       1|2 次のページへ

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ