Pythonの最新版であるバージョン2.4が、2004年11月30日にリリースされた。この最新版では、新たにさまざまな構文・機能が追加されたのだが、その中でも整数型の統合、ジェネレータの生成構文、Templateによる文字列置換、関数やメソッドの修飾構文など、とくに便利なものをピックアップして解説していこう。
Pythonは、オブジェクト指向をサポートしたプログラミング言語です。Guido van Rossum氏によって最初に作られ、現在はオープンソースモデルで数多くの開発者によって開発が続けられています。
Pythonにはさまざまな特徴がありますが、とりわけ標準ライブラリの豊富さと、よく整備されたドキュメントの存在が目を引きます。
Pythonでは、言語そのものをシンプルに保ちつつ、便利で強力な機能を提供するために、数多くの標準ライブラリを提供しています。正規表現などの文字列操作をはじめとして、HTTPのクライアントとサーバー、FTP、TELNET、NNTP、SMTPなどの各種プロトコルといったネットワーク関係、HTML/XMLの処理、GUI構築のためのライブラリ、デバッガ、ドキュメント生成ツール、モジュール配布ツール、ユニットテスト用ツールなど、便利なものが各種そろっています。
Pythonは、関連ドキュメントが非常に充実しています。言語仕様はもとより、標準添付の全ライブラリのリファレンス、チュートリアル、旧バージョンからの変更点、C/C++での拡張モジュールの開発方法など、必要と思われるものはほとんど網羅されています。しかも、驚くべきことに、これらのドキュメントは常に最新のものに追従するように確実に更新され続けています。
Pythonの魅力をすべて紹介していくと、またたく間に誌面を埋めつくしてしまいますので、主な特徴を列挙しておくにとどめましょう。
Pythonの処理系は、インターネットから入手できます。一次配布元は次のURLになります。
今回紹介する最新版Python 2.4は、次のURLからダウンロードすると良いでしょう。
ほとんどのUNIX系OSでは、パッケージとしてPythonをインストールできると思いますので、ソースコードからインストールするのが面倒な場合は、それらを利用してください。Windowsを使用している場合は、上記のURLからインストーラを入手できます。
また、Pythonには素晴らしいチュートリアルが用意されています。Pythonは初めてという方は、ぜひチュートリアルを読みながら、実際にPythonを使ってみてください。このチュートリアルは、Pythonドキュメント翻訳プロジェクト(http://www.python.jp/Zope/pythondoc_jp/)の方々の尽力で、日本語のものが以下のURLで提供されています。
http://www.python.jp/pub/doc_jp/tut/tut.html
現在和訳されているものはPython 2.3.4のものですが、Python 2.4を使う場合でも十分に役立ちます。英語が苦にならない方は、次のURLで最新版を読むといいでしょう。
http://docs.python.org/tut/tut.html
これから先は、チュートリアルを読み終わった方やPythonの知識がある方向けに、Python 2.4で新しくなった部分を紹介していきます。
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