「Notesの父」、レイ・オジー氏がIrisを設立し、Notesの開発に着手したのは1984年のこと。フロリダ州オーランドで開幕したLotusphere 2005は、市場を切り開いてきた同製品の20周年を盛大に祝った。
Lotus Developmentの共同創設者であり、Lotus 1-2-3のデザイナーとして知られるミッチ・ケイパー氏が、イリノイ大学時代にグループウェアの原型を開発したレイ・オジー氏の新興企業、Iris Associatesに投資をしたのは1980年代半ばだった。今や1億1800万のユーザーライセンス出荷を誇るLotus Notesの基本的なデザインはこのとき生まれ、昨年末で20周年を迎えた。
米国時間1月24日、フロリダ州オーランドで開幕したLotusphere 2005には「Notesの父」であるオジー氏らが招かれ、盛大にLotus Notesの20周年を祝った。現在はGroove Networksの創設者兼CEOである彼がステージに招き上げられると、ボールルームは大騒ぎとなり、詰め掛けた5000人を超える顧客やパートナーらはスタンディングオベーションで迎えた。
IBMでLotus製品やWorkplace関連製品を統括するアンブッシュ・ゴヤールGMも、就任から2年でそのビジネスを順調に拡大させてきた。「Notesはどんな製品よりも忠誠心の高い顧客を獲得できている」とし、20年間、この市場をリードしてきた誇りを口にするとともに、顧客やパートナーらに対して感謝の気持ちも表現した。
とはいえ、ゴヤール氏にとって今回のLotusphereカンファレンスはこれまでに増して重要だ。初めてGMとして登場したLotusphere 2003では、「Next Gen Mail」(現在のLotus Workplace Messaging)を披露し、J2EEによるNotes/Dominoのコンポーネント化をぶち上げたが、これに既存の顧客ベースは少なからず揺れた。顧客やデベロッパーらはNotes/Dominoに慣れ親しみ、スキルや資産を蓄積しているからだ。2004年のLotusphereでは「IBM Workplace Client Technology」を披露し、リッチクライアント環境の将来を示したが、「Notesはどうなる?」といった顧客らの不安を払拭できなかった。
オープニングのジェネラルセッションでゴヤール氏は顧客らを説き伏せるように「われわれのゴールは明白。2年前、2車線のハイウェーを用意すると話したが、行き先は同じだ。コンテキスト(脈絡)に合った形で、より多くの人の生産性をさらに改善したいのだ」とした。
かつてNotes 5.0が投資を保護しながらインターネット標準に対応したのと同じだと彼は強調する。詳細は別の記事に譲るが、Notes/Domino、WebSphere Portal、およびIBM Workplace Collaboration Services(Lotus Workplace MessagingやLotus Workplace Team Collaboration、Lotus Workplace Collaborative Learning、Lotus Workplace Web Content Managementなどの新しい総称)は互いに連携しながら、J2EEや新しいリッチクライアント環境への対応を図っていくのだという。
「あくまでも“Notesプラス”だ」とゴヤール氏。
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