父親を応援する(?)Mirsaウイルス

» 2005年01月27日 19時42分 公開
[ITmedia]

 英セキュリティ企業Sophosは1月26日、新しい大量メール送信型ウイルス「W32/Mirsa-A」「W32/Mirsa-B」を発見したと報告した。これらのワームは、離婚時の父親の親権強化を訴える市民団体Fathers 4 Justiceを支持するメッセージを広めようとする。同団体は、メンバーがバットマンの扮装をしてバッキンガム宮殿によじ登るなどの抗議活動を行ったことから、各国のマスコミに取り上げられている。

 これらウイルスは電子メールの添付ファイルとして送られてくる。Mirsa-Aは履歴書を装った添付ファイルを送信し、Mirsa-Bは「Urgent Document(緊急の書類)」「Extremely Important(極めて重要)」などの件名を利用する。

 添付ファイルを開くと、これらワームはWindowsのアドレス帳に登録されているアドレスあてに自身を送信し、感染したマシンのHDDのファイルに自身をコピーする。さらにHDDに、「トニー・ブレアよ、お前はFathers 4 Justiceの声に真に耳を傾けるべきだ。さもなくばわれわれはさらなる行動に出る」などの文章を含んだWord文書を格納しようとする。

 またMirsa-Bはユーザーのデスクトップに、Fathers 4 Justiceを支持するメッセージを含む「Fathers4Justice.txt」というファイルと、同団体のサイトへのリンクを作成する。

 「このウイルスを作った人物は明らかにFathers 4 Justiceの運動を支持しているが、支持を表明するためにバットマンの衣装を着てバッキンガム宮殿に上る代わりに、コンピュータ犯罪を犯した。しかし、このウイルスに攻撃されたユーザーは決して共感してくれないだろう」とSophosの上級技術コンサルタント、グラハム・クルーリー氏はリリースで述べている。「Fathers 4 Justiceはこのような行為に賛成しないだろうが、ウイルスが政治的なメッセージを広めるのに利用されるのはこれが最後ではないだろう」

 Mirsaウイルスの報告はほとんどないが、Sophosはユーザーに対し、ウイルス対策ソフトを最新の状態にしておくよう勧めている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ