Flashサーバテクノロジー――Flash Communication Server構築編(1/8 ページ)

Flashのサーバサイド最新動向には、企業向けにJavaアプリケーションのUI実現をするFlexが挙げられる。この特集では、順次Flashをサーバサイドテクノロジーについて連載する。今回はFlash Communication Serverの構築法。

» 2005年02月15日 07時38分 公開
[永井勝則,ITmedia]

Flashはサーバテクノロジーの一部へ

 近年マクロメディアは、従来の個人ユーザーに向けた製品群に加え、企業を対象としたサーバ製品の拡充に力を注いでいる。

 その根底には、世界中のインターネットユーザーが使用する実に98%のブラウザにインストールされているというFlashプレーヤの普及率を背景にしてのことだ。今回解説する「Flash Communication Server」(以下、FCS)のほか、ColdFusion、Breeze、Flexといったサーバソフトウェア製品は、いずれもFlashをユーザーインタフェースに用いるというアプローチだ。

 ColdFusionは、HTML内に独自のタグを埋め込むことで、データベースと連携し、その結果をHTML上に表示する機能を持つが、Flash Remotingに仲介させることで、Flashとのやりとりが簡単になる。

 Breezeは、マイクロソフトのプレゼンテーション用ソフト、Power Pointで作成したファイルをそのままWeb上で公開できる技術を持つ。マクロメディアのWebサイトで公開されている各製品説明、プレゼンテーションにはこのBreezeが使用されているのを見ても分かるように、そのインタフェースはFlashそのものだ。2005年1月現在、Flexは登場したばかりであり期待が高まるもののひとつだ。Javaのサーブレットをベースとしたエンタープライズ向けの製品であり、このFlexで実現されるインタフェースもまたFlashなのだ。

 いずれのプロダクトでも共通なのは、従来のHTMLの操作性を大きく凌駕するFlashの機能をその前面に見せることだ。

画面■Flexで作り上げたアプリケーションサンプル例

 今回取り上げる「Flash Communication Server」(以下、FCS)はその名の通り、Flashをインタフェースに備える環境を実現すべく、サーバソフトとFlashプラグインなどが用意されているプロダクトだ。この特集では、発売され2年を経て安定感を増しつつあるこのFCSを使い、Webアプリケーション開発を紹介していく。

FCSとは?

 FCSは、Flashで作成したインターフェイスを使ってさまざまなコミュニケーション機能を提供するサーバソフトだ。次に挙げる機能を実現するためのソフトウェア基盤だと捉えればよい。

1. PCに接続したカメラやマイクの映像、音声をそのままストリーミング配信(ライブストリーミング)したり、サーバ上に記録し、記録したファイルとして配信(オンデマンドストリーミング)することができる。

2. サーバログインしたユーザーが、サーバ上にあるデータを共有できる。いちどログアウトし、再度ログインした時に、データの同期を取ることができる。

3. 1対1、1対多、多対多でのコミュニケーションが行える。

 これらの機能を使い、例えば、複数のユーザー間でのテレビ会議、テレビ電話、アイデア次第ではリモート教育システムなどの構築も行える。また、PC(Webブラウザ)上で動作するFlashプレーヤには、FCSと連携する機能が実装されている。これらはストリーミング配信のため、動画データは基本的にユーザーの手元には残らず、著作権の絡むプロモーション映像などの使用にも適している。さらにサーバ上に共有オブジェクトとしてデータ保存し、Flashゲームの作成に効果的に活用できるのも大きな強みのひとつだ。

 今回は、インストール方法から、単純な接続テスト、コンポーネントを使った映像録画・再生アプリケーションの作成手順までを解説しよう。

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