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» 2005年02月17日 00時37分 公開

「ILMをより効果的にする」とData DomainのCTO

米Data Domainの創設者兼CTO、カイ・リー氏は、現在のバックアップ/リカバリシステムには3つの課題があると指摘した。

[ITmedia]

 情報の保護や事業継続性の確保といった観点から、データのバックアップは企業にとって必要不可欠な作業だ。最近ではバックアップ速度とコストの兼ね合いを考慮し、ILM(情報ライフサイクル管理)という考え方に沿って、プライマリディスクとセカンダリディスク、それにテープライブラリを組み合わせたバックアップシステムを構築するケースが着目されつつある。

 しかしそれでも、バックアップウィンドウやリカバリに要する時間に加え、「現在のデータバックアップには3つの課題がある」と、米Data Domainの創設者兼CTO、カイ・リー氏は指摘する。

 1つめの問題点は、バックアップ可能なデータの容量だ。ただでさえ企業が扱うデータの量は増加している。ディスクを増やせば対応できないこともないが、今度はコスト面で非現実的なものになってしまう。シリアルATA(SATA)の採用によってディスクのコストは下がったとはいえ、それでもテープの4〜5倍というコストだ。結果として、バックアップできるデータの量は限られてしまう。

 2つめはデータの信頼性である。「プライマリディスクに対する検証がなされていない。結果として、データを復元してはじめて問題に気づく、というケースもある」(リー氏)。

 3つめは、ディザスタリカバリへの備えだ。これもデータの量に起因することだが、ネットワーク越しに複製を行うには容量が増えすぎ、帯域が足りなくなっているという。

リー氏 「iPodがテープを駆逐したのと同じことがストレージの世界でも起こる」と述べたリー氏

 Data Domainのバックアップ/リカバリアプライアンス「DD200 Restorer」は、「Capacity Optimized Storage」(COS)というコンセプトに基づき、こうした問題を解決するという。

iPodのように「テープを置き換え」

 DD200 Restorerは、14個のディスクと2個のスペアディスクを搭載したアプライアンス製品だ。データバックアップ用のソフトウェアから見た場合はNASとして動作し、バックアップ/リストア作業を担うが、データ容量最適化のためのユニークなテクノロジを搭載している点が特徴である。

 その1つが、「グローバル圧縮」技術だ。複数のバックアップを取る場合、セグメント単位で冗長している部分を見つけ出し、1つだけを保存する。それ以降は、新たなデータや差分のみをバックアップする仕組みだ。その上で、データサイズを小さくする「ローカル圧縮」を組み合わせる。つまり二段階の圧縮をかけることで、より効率的にデータを格納する。リー氏によると、アプリケーションやデータの種類にもよるが、圧縮率は平均で約20倍に上るという。

 「グローバル圧縮機能により、数カ月から年単位という長期間でのデータ保存が可能になる。しかもテープと同等の能力を実現しながら、コストは低く抑えることができる」(同氏)。

 この結果、ディザスタリカバリ環境の構築も容易になるとリー氏は説明する。グローバル圧縮によってデータ量が減少すれば、ネットワーク越しの複製が容易になるからだ。「DD200 RestorerどうしをIPネットワーク経由で接続すれば、少ない帯域でディザスタリカバリが実現できる。顧客の中には、T1専用線で毎日1Tバイトのデータをバックアップしているところもある」(同氏)。

 データの信頼性確保に関しては、「データ非脆弱性アーキテクチャ」という技術でサポートする。チェックサムによる自動誤り訂正を行うほか、バックアップ時/完了後にデータの整合性確認を行うことで、いざリストアしようとしてもうまくいかない、というケースを回避する。

 データストレージの世界ではベンダー各社が競ってILMというコンセプトを提唱しているが、リー氏は、DD200 Restorerはその中でキーテクノロジーになるとも述べた。「この製品はILMをより優れた、より効果的なものにする」(同氏)。

 「音楽業界ではiPodの登場により、カセットテープが駆逐され業界の様相が一変した。映像に関しても、Tivoやハードディスクレコーダーの登場によってVHSテープの役割が小さくなっている。ストレージの分野でも、時間はかかるだろうがこれと同じことが起こるだろう。Data Domainではバックアップに利用されているテープの役割を置き換えていきたい」(同氏)。

 DD200 RestorerはVeritas、Legato、CommVaultやCAといったベンダーのバックアップソフトウェアに対応しており、2005年中にはTivoliやBakbone Softwareの製品もサポートする予定だ。価格は777万円からで、東京エレクトロンが代理店となって販売している。2005年前半には、容量およびスループットを改善した新しいプロダクトがリリースされる予定という。

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