Sunのシュワルツ社長、データベース計画、SPARC、HPを語るInterview(3/3 ページ)

» 2005年02月18日 16時59分 公開
[IDG Japan]
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シュワルツ x86版Solarisは、収益機会を流出させるための手段ではなく、市場を獲得するための手段なのです。私の最近のブログにISVとの会合のことを書いていますが、彼らがx86に移行するという方針を選んだのは、1ウェイあるいは2ウェイサーバといった低コストのプラットフォームに移行したかったからです。ISVはSolarisからRed Hatに鞍替えしたのです。彼らに話を聞くと、再びSolarisに戻りつつあるというのです。われわれがハードウェアに賭けようとしていると思いますか? 既存のビジネスでの食い合いという意味では、何年も前から収益機会の流出が続いていました。

――Red HatのことをSunの重要な競争相手であるように言っておられますが、Novellが登場してきたことで、多くのISVがSUSE Linuxもサポートするようになりました。市場が大きく変化したのではないですか?

シュワルツ Solarisにとって最大の競争相手はRed Hatではなく、Windowsです。しかし今、この市場に風穴が開き始めました。オープンソース版Solarisは、新しい巨大な市場機会へのアクセスをわれわれに与えてくれます。Solarisが勝つために誰かが負ける必要はありません。今後、インターネットインフラの大幅な拡張が予想されますが、スケールとセキュリティ、そして真のイノベーションを柱としたSolarisの価値命題は、われわれに大きな優位性をもたらすでしょう。われわれが勝つためには誰も負ける必要がないのです。われわれが競争相手よりも速く成長する必要があるだけです。

――Gartnerの予測によれば、2010年代末までにItaniumとPOWERがそれぞれ、プロセッサ市場の売り上げの約15%を占めるようになり、SPARCのシェアはその半分に過ぎないだろうとしていますが、これについてどう思いますか?

シュワルツ 台数ベースで見れば、当社は64ビットマイクロプロセッサプラットフォームで他社を圧倒的に引き離してナンバーワンの地位にあります。われわれは絶えず成長し、競争相手のシェアを奪ってきました。将来を予想するのが好きなGartnerの連中について私がどう思うか、というご質問ですね。彼らはブラウザ市場の予測を誤りました。Solarisがリリース後最初の10日間で50万本も配布されたことも予測できませんでした。また彼らは、Microsoftが携帯電話分野で大成功を収めると予想していました。私も彼らの予想を聞くのは好きですが、必ずしも納得できるものばかりではありません。

――SunのOpteronおよびXeonボックスの付加価値はどこにあるのですか? IBMやHPの製品とどんな違いがあるのですか?

シュワルツ シングルプロセッサボックスについて言えば、どのメーカーもハードウェアそのもので大幅な差別化を図るのは難しいのではないかと思います。シングルプロセッサからマルチプロセッサマシンを通じてわれわれが持っている最大のアドバンテージは、OSを提供しているということです。OSをサブスクリプション方式で提供するという形であれば、マシンの価格をコスト以下に抑えてもいいと思っています。その時点で、DellとHPに同じ質問をしてみたいと思います――「あなた方はどうやって競争するのか?」と。彼らのボックスが1000ドルで、Sunのボックスが700ドルであれば、価格を重視する顧客にとっては、われわれの方が300ドル分だけ余計に魅力があるということになります。

――HPについて言えば、もしあなたが明日、同社の会長に任命されたとしたら、何をしますか?

シュワルツ 会社を分割するでしょう。プリンタ部門が同社の価値の大半を生み出していますが、プリンタ事業とItaniumサーバ事業の間には全く相乗効果が見られません。なぜシステムビジネスという重しを結び付けてプリンタ事業の価値を圧迫する必要があるのでしょうか?

――ではHPのエンタープライズ事業とPC事業はどうするのですか?

シュワルツ これらの事業を発展させる能力を持ったベンダーを見つけます。これらの事業それ自体に価値があるとは思いません。

――HPがミドルウェア企業、例えばBEA Systemsを買収するというのはどうですか?

シュワルツ 落ち目のシステムベンダーがほかの企業を買収しても、落ち目のシステムベンダーであることに変わりありません。BEAと組んだからといって、Itaniumサーバの魅力が高まることはありません。



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