Sunのシュワルツ社長、データベース計画、SPARC、HPを語るInterview(1/3 ページ)

オープンソースソフトウェアで新規顧客の獲得を狙うSun Microsystems。ジョナサン・シュワルツ社長兼COOに、オープンソース計画やSPARCプロセッサなどの製品について話を聞いた。

» 2005年02月18日 16時59分 公開
[IDG Japan]
IDG

 オープンソースソフトウェアで新規顧客の獲得を狙うSun Microsystemsは、Solarisなどの製品に加え、今後オープンソース化が予定されている製品ラインアップにデータベースを追加したようだ。だが同社のオープンソース化戦略は、ユーザーにどんなメリットがあるのだろうか、また、そういったことに関心を示すユーザーがいるのだろうか。

 Sunのジョナサン・シュワルツ社長兼COO(最高業務執行責任者)は今週、カンヌで開かれている3GSM World Congressに出席するためにフランスに滞在中だ。IDG News ServiceとLe Monde Informatique(IDG Franceが発行している雑誌)は、Sunのパリ営業所にシュワルツ氏を訪ね、Sunのオープンソース計画やSPARCプロセッサなどの製品について話を聞いた。同氏はまた、Hewlett-Packard(HP)のカーリー・フィオリーナ氏の後継者となる人にアドバイスしたいこともあるようだ。以下にインタビューの抜粋を掲載する。

――Sunの顧客にとってSolarisのオープンソース化による最大のメリットは何ですか、また、オープンソース版Solarisはどんなタイプの顧客に訴求するのでしょうか?

シュワルツ 当然のことですが、既存の顧客には従来のSolarisを提供しています。オープンソース版Solarisは、新規のSolarisユーザー、ならびにHP、Dell、IBMあるいはそのほかの400社のいずれかのメーカーのハードウェア上でSolarisを利用したいというユーザーを獲得するための手段なのです。ユーザーはオープンソースソフトウェアを使いたいという希望をはっきりと示しています。そのような希望を持っているのは、性能面での効果を試すためにソースコードを修正したいというユーザーや、あるいは単なる好奇心からソースコードをいじってみたいというユーザーです。オープンソースSolarisは、新規顧客の市場を大きく切り開くものなのです。

――既存の顧客にもメリットはありのですか?

シュワルツ もちろんです。OSのオープンソース化によるマイナス面はありません。透明性があるというのは良いことです。

――どんなタイプの新規顧客に訴求しようと考えているのですか?

シュワルツ オープンソース版に採用される価格モデル、つまり無償化という点を考えれば、これは広範な新規市場にアピールする素晴らしい手段だと言えます。Solarisの採用の障害となっていた要因がすべてなくなるのです。これによってどんな市場が切り開かれるかと言えば、オープンソースソフトウェアの採用に積極的なブラジル政府から、優れた教育用プラットフォームを求めている教育分野に至るまで、あらゆる分野にわたると思います。

――Sunではオープンソースデータベースの提供に向けた具体的な計画があるのですか、それともスコット・マクニーリー氏が最近それを示唆したのは、単なる挑発に過ぎないのですか?

シュワルツ 包括的なアプリケーションプラットフォームの条件として、何らかの形で一貫性のあるストレージを備えていることが挙げられます。これは、ファイルシステム、ディレクトリエンジン、メッセージングストア、当社のアプリケーションサーバのパーシステンスエンジンなどを通じて実現できるわけですが、これらはすべて一種のデータベースです。

 われわれがまだ行っていないのは、SQLでアクセスするデータベースへの取り組みです。この分野は、オープンソースコミュニティーがMySQLとPostgreSQLでカバーしてきました。われわれはこの穴をふさぐつもりです。単なるファイルシステムを提供するだけでなく、穴を完全にふさごうと考えています。そのためにはSQLデータベースの要求条件に対応する必要があります。われわれは極めて真剣です。

――Java Desktop SystemにLinuxを組み込んだときと同じモデル、つまり既存のオープンソース製品をSunのニーズに合わせて修正して、それにSunのラベルを付けるという手法を採用するつもりですか?

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